植田次期日銀総裁の所信聴取などを受けて堅調
2023年2月24日の東京株式市場で、日経平均株価の終値は、前日比349円16銭高の2万7453円48銭となりました。3営業日ぶりの反発です。
先週23日は天皇誕生日の祝日で東京株式市場は休場でした。同日米国株式市場でダウ工業株30種平均が108ドルあまり反発したことから、翌日の日本株も買われる展開となりました。
24日には、次期日銀総裁候補の植田和男氏らの衆院での所信聴取と質疑が行われました。
植田氏は現在日銀が行っている金融政策は適切だとしたほか、2%の物価目標を柱とした政府・日銀の共同声明についても変更はないと答えました。植田氏はこれまでどちらかといえば金融引き締めに肯定的な発言が多かったことから、所信聴取・質疑でもタカ派的な発言が出るのではないかと警戒されていましたが、逆に投資家の間には、現在の金融緩和策が当面続くとの見方が広がり、幅広い銘柄が買われました。
今週の動きはどうなるでしょうか。24日の米株式市場でダウ平均は反落し、前日比336ドル安の3万2816ドルで取引を終えています。4週連続で下落しています。4週続落となったのは、8週連続下落した2022年5月以来です。
背景にはインフレ圧力を巡り、米連邦準備理事会(FRB)が利上げ幅を0.5%に再拡大するのではないかという懸念が広がっていることです。24日に発表された1月の米個人消費支出(PCE)物価指数は、エネルギーと食品を除くコア指数の上昇率が前年同月比4.7%と、前月(4.6%)より高くなり、市場予想も上回りました。
今後とも、インフレ動向と、FRBの利上げの可能性に一喜一憂する相場が続きそうです。3月1日には2月の米サプライマネジメント協会(ISM)製造業景況感指数が公表されます。
市場予想は前月からの改善を見込んでいるようです。足元の相場で難しいのは、経済指標の結果がよくても、それがインフレにつながると予想されると、株が売られることです。
今回も、景況感が改善されるとインフレが長期化すると考える投資家が多いでしょう。慎重に判断したいところです。