男性会社員のお小遣い額の平均は下降傾向、女性会社員は?

男性会社員のお小遣いが右肩下がりです。

新生銀行グループは、20代から50代の男女約2,700人を調査した「2017年サラリーマンのお小遣い調査」を2017年6月26日に発表しました。

この調査によれば、男性会社員の毎月のお小遣い額の平均は対前年比▲445円減少し3万7,428円でした。1979年の調査開始以来、過去2番目に低い水準とのことです。

日経平均株価が2万円台を回復し、地価も上昇傾向にありますが、会社員のお小遣いは右肩下がりです。

アベノミクスが始まって以来、日経平均は1万円割れの水準から2万円まで2倍を超える回復を見せました。しかしこの間、同調査の男性会社員の平均小遣い額は約▲1,400円減少したことになります。

景気と株価の回復が家計を十分に潤すに至っていないことが、このお小遣い額の推移から推測されます。

一方、2017年の女性会社員の毎月のお小遣い額の平均は対前年比+449円増加し3万3,951円でした。同調査は過去4年間の調査結果を報告していますが、2年連続の減少トレンドが底打ちに変わっているのかもしれません。

お小遣い減少の2大理由とは

同調査によると、男性会社員、女性会社員ともにお小遣いを過去1年で減らした人がかなり見られます。その比率は増えた人を男女いずれも上回ります。

そこで、お小遣いが減った理由を見てみると、給料の減少と生活費の増加が2大要因とされています。特に40代、50代で給料減少を理由するケースが目立ちます。

働き方改革で支出増加に

このようになかなか厳しいお小遣い事情ですが、働き方改革がさらに会社員の懐具合に圧力をかけているようです。

同調査を引き続き見てみましょう。職場で働き方改革を経験したという回答は全体の約3割に上り、男女を問わず残業の減少、有給取得促進、定時退社日の増加が顕著になったとのことです。

面白いことに、この結果、お小遣いの使いみちの中で「支出が増えた項目がある」との回答が半数あります。その筆頭は食費(飲み代を除く)であり、趣味、飲み代、ファッション費用、身だしなみ費用なども増えています。

自由になる時間が増えたため、これに応じて支出が増えているのでしょう。このこと自体、プライベートの充実が進み、良いリフレッシュにもなるので好ましいことだと思われます。

お小遣いのやりくり難が強まる

自由な時間が増え、関連支出が増えるとなるとお小遣いのやりくりが必要です。

調査結果を見ると、皆さん実にさまざまに対応しています。単純にお小遣いの額を増やすという場合も確かにありますが、それは多数派ではありません。

お小遣いを増やす方法で最もポピュラーだったのは「副業で稼ぐ」であり、「投資で稼ぐ方」も男性を中心に相当数見受けられます。

一方、倹約の方法としては昼食代の削減、飲み代の削減などが最もポピュラーです。

まとめにかえて

いかがでしたでしょうか。ただでさえお小遣い事情は厳しいうえ、働き方改革で残業代は減ります。その一方、自由な時間が増えると支出も増加してしまいます。今まで以上にやりくりが求められる時代になりました。

今回の調査結果からは、「副業で稼ぐ」ことに真剣に取り組まないと周囲に置いていかれるのではないかということを気づかされました。とはいえ、本当の処方箋は本業で労働生産性を改善し、給与を増やすことではないでしょうか。

いかに効率的に、賢く稼ぐのか、改めて考えていかなければなりません。

LIMO編集部