4. 社会保険に加入するかどうかで、パート主婦の手取りは大きく変わる

社会保険の加入のハードルは、130万円か106万円。金額の違いは、事業所の厚生年金保険の被保険者の数によります。

令和4年10月から被保険者が101人以上の事業所で働く短時間労働者は、社会保険に加入しなければなりません。

現在の状況で考えると、厚生年金の被保険者100人以下であれば、給与収入が130円以下の方は社会保険に加入しなくても良いのですが、令和6年10月からは51人以上となり、被保険者はさらに増えるでしょう。

出所:日本年金機構「令和4年10月からの短時間労働者に対する健康保険・厚生年金保険の適用の拡大」

社会保険に加入する要件は、次の4つです

  • 週の所定労働時間が20時間以上
  • 月額賃金が8万8000円以上
  • 2ヵ月を超える雇用の見込みがあること
  • 学生ではない

上記を踏まえると、労働時間や給与額を考えると、社会保険(厚生年金)に加入する可能性は高くなります。

社会保険の保険料は健康保険や厚生年金の合計で、収入の15%前後。ただし企業や都道府県によって異なります。

たとえば106万円の収入のある方で、概ね年間15万9000円です。

5. 社会保険料の負担があるとパート主婦の手取りが少なくなる

社会保険料(健康保険や厚生年金)を支払うということは、パート主婦の月々の手取りは少なくなることになります。

例として、50歳代の年収1000万円以下のサラリーマンの夫と、50歳代パート主婦のご夫婦の場合(東京都在住、協会けんぽ加入。健康保険・介護保険は11.45%、厚生年金保険料は18.30%を労使折半、雇用保険は被保険者負担分0.5%と仮定)で計算します。

出所:給与所得控除、社会保険料控除、基礎控除以外の控除はないものとし、復興特別所得税、住民税の均等割5500円含む。上記条件で筆者作成

太字になっている金額が、社会保険に加入しない金額ですが、社会保険料が引かれるようになると、手取り収入が少なくなります。

社会保険料を払ってまで、働くのかが大きな違いとなるでしょう。