「人生100年時代」が近づくいま。長生き時代を見据えた「リタイヤ後の過ごし方」に関する意識は、大きく変わりつつあります。
60歳で勤務先を定年退職。まとまった退職金を受け取り、年金があれば十分暮らしていくことができる、そんな「老後安泰」のイメージを持っていた方も多いでしょう。
しかし、退職金や年金額の水準は下がる傾向にあります。シニアの就業を後押しする制度も整いつつあるいま、還暦を過ぎて働き続ける人も増加中です。
とはいえ、公的年金の一般的な受給開始年齢である65歳を、現役引退のタイミングとする人も多いでしょう。
今回は、65歳以上のリタイヤ世帯の仕事とお金事情を眺めていきます。就業率・ひと月の生活費、そして貯蓄額に関するデータを整理していきましょう。
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1. 【年金エイジ】老後は何歳まで働き続ける?
さいしょに、いまのシニア世代の就業率を見ていきましょう。2022年9月19日に公表された総務省の資料から、高齢者の就業率の推移を確認します。
2021年時点での就業率は、60歳代前半で71.5%、60歳代後半は50.3%です。どちらの年齢層も2011年からの10年間で大きくアップしています。
働き続ける理由は人それぞれ。やりがいや社会との接点を求める人、家計を支えるために現役続行する人などさまざまでしょう。
一般的な年金受給スタート年齢である「65歳」以降も、半数以上の人が仕事をしていることになりますね。
次では、「65歳以降の世帯」の貯蓄のすがたを眺めていきます。