年が明けて1月14日(土)、15日(日)には令和5年度の大学入学共通テストです。親として応援する一方で、大学費用に不安を抱える方もいるでしょう。

大学ごとに必要な金額は異なりますが、国立大学は年間53万5800円(一部例外あり)、私立大学は学部学科によって異なりますが年間100万円以上がかかる大学が多くなっています。

食費や光熱費、日用品費など生活におけるあらゆるものが値上がりしている昨今、子どもの大学進学費用を支払うことが難しいと考えるご家庭も多いでしょう。

そうなると、大学進学費用を確保するための一つの方法として奨学金について考える方法もあります。

本記事では50歳代の貯蓄を確認した後、奨学金を借りている人の割合もみていきます。

大学の4年間の費用はいくら必要?

大学の進学費用と一括りにしても、国立大学、公立大学、私立大学では大きく異なります。文部科学省「国公私立大学の授業料等の推移」をもとに、4年間の費用をみていきましょう。

国立大学の進学費用

  • 入学料:28万2000円
  • 授業料:53万5800円
  • 4年間合計:約242万円

参考:文部科学省「国公私立大学の授業料等の推移」

公立大学の進学費用

  • 入学料:39万4225円
  • 授業料:53万8294円
  • 4年間合計:約254万円

※公立大学入学料は地域外からの入学者の平均
参考:文部科学省「国公私立大学の授業料等の推移」

私立大学の進学費用

文部科学省が公表する「私立大学等の令和3年度入学者に係る学生納付金等調査結果について」によると、私立大学の進学費用の平均額は以下のとおりです。

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出所:文部科学省「私立大学等の令和3年度入学者に係る学生納付金等調査結果について」

出所:文部科学省「私立大学等の令和3年度入学者に係る学生納付金等調査結果について」

文科系学部は4年間で407万9015円、理科系学部は4年間で551万1961円、歯科系学部は4年間で1633万3322円、その他学部は4年間で507万3940円がおおよそかかります。

上記は平均額であり、大学によって大きく変わりますので注意してください。

50歳代の貯蓄額はいくら?

厚生労働省「令和3年度 出生に関する統計の概況」によると、令和元年における第一子出産時の母親の年齢は30.7歳です。

第一子が18歳で大学に進学した場合、親は50歳前後であることが多いと考えられます。

そこでここでは、50歳代の貯蓄額の平均と中央値を見ていきます。

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出所:金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](令和3年)各種分類別データ」

出所:金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](令和3年)各種分類別データ」

上記のデータによると、50歳代の平均貯蓄額は1386万円ですが、現実により近いといわれている中央値は400万円です。

また、貯蓄額別の分布に着目すると、金融資産非保有の世帯は約20%、貯蓄額が100万円未満から500万円未満の世帯は30%近くとなっています。

一方、50歳代で1000万円以上の貯蓄を保有する世帯は30%を超える結果に。

50歳代の貯蓄額は二極化しているものの、平均的なご家庭であれば子どもの大学の学費を全てまかなえるだけの貯蓄を保有していない、もしくは大学の学費を支払うと貯蓄が底をついてしまうといったご家庭もあるでしょう。

大学生の約半数が奨学金を借りる時代に

日本学生支援機構「令和2年度 学生生活調査結果」によると、大学生の約半数が奨学金を借りています。

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出所:日本学生支援機構「平成30年度学生生活調査報告」

出所:日本学生支援機構「平成30年度学生生活調査報告」

年度によって借りている人の割合が多少異なるものの、近年において大学生(昼間部)の2人に1人が奨学金を借りているといっても過言ではないでしょう。

50歳代の貯蓄額の中央値が400万円である昨今、子ども一人分の学費を親が全て捻出することは容易ではありません。

また、平均的な家計のご家庭で子どもが複数人いれば、子ども二人分の学費を貯蓄などから全て支払うことは難しい場合もあるでしょう。

まとめにかえて

奨学金の中には返済不要のものもあります。

しかし、ほとんどの奨学金は借りた金額を返済する必要があり、かつ奨学金によっては利子がかかります。

また、適切な手続きを怠るなどして奨学金を延滞した場合には延滞料がかかることも。

奨学金を将来的に返済していくのは一般的にお子さんになりますが、本人が何らかの事情で返済できなかった場合には連帯保証人である親や親族に返済の義務が生じます。

親や親族が、延滞料などを含めた金額を想定外にも返済しなければならなくなることもあります。

そうしたことからも、奨学金を借りずに学費を捻出するご家庭も珍しくないようです。

たとえば、最近では60歳代以上で働いている方が多いことからも、お子さんの大学在学中は貯蓄よりも学費の支払いを優先し、お子さんが大学を卒業してから老後資金を貯め直す方もいます。

お子さんが大学卒業後に自立できれば子ども関連の支出は基本的にかからなくなるため、これまでと比べて貯蓄がはかどるというご家庭も多いようです。

あるいは、お子さんに学業とアルバイトを両立してもらい、アルバイト代と仕送りで大学生活を成り立たせているご家庭もあります。

ただし、学費を期日までに準備できず大学を卒業できなくなっては本末転倒です。

大学の学費の捻出に不安を抱えているご家庭は、奨学金も一つの選択肢となるでしょう。

参考資料

西田 梨紗