4. 注意点も確認を
このように、年金収入を調整して、住民税非課税世帯に該当するようにしたとしても、自治体による基準額が変更となって、非課税限度額が変わってしまう可能性があることは考慮しておきましょう。
少子高齢化で税収が減る一方で、高齢者の医療費の増加が今後ますます深刻な問題となってくるでしょう。
社会保障制度を持続可能にしていくために、非課税限度額を下げて、ぎりぎりまで税金や保険料、医療費を負担してもらうようにする可能性は大いにあります。
そうした時に、繰上げ受給で年金額の調整をし、その後、非課税限度額の引き下げがあり、該当しなくなったとしても、繰上げ受給は取り消しができないため、一生その減額された年金額を受け取ることになります。
年金制度も頻繁に改正されているため、調整する際は確認を怠らないようにしましょう。
いくつかの注意点はあるものの、住民税非課税世帯になることで得られるメリットは、それをほんの少し上回った世帯と比較すると非常に大きいものです。そのため、住民税非課税世帯になる年金収入の上限を知っておくことは役に立つでしょう。
参考資料
- 個人住民税 | 税金の種類 | 東京都主税局
- No.1600 公的年金等の課税関係|国税庁
- 厚生労働省「級地区分(平成30年10月1日現在)」
- 収入は年金だけなのですが、住民税を払うのでしょうか? | FAQ_住民税 | 北海道安平町
- 年金収入に対する市・県民税が非課税となる目安はいくらですか。|金沢市公式ホームページ
- 後期高齢者医療の保険料について|厚生労働省
- 介護保険の保険料(第1号被保険者)|厚生労働省
- 高額療養費制度を利用される皆さまへ|厚生労働省
- 令和3年8月利用分から高額介護サービス費の負担限度額が見直されます|厚生労働省
- No.2735 同じ年に2か所以上から退職手当等が支払われるとき|国税庁
- 年金の繰上げ受給|日本年金機構
石倉 博子