3. 年金収入を下げる方法2選

住民税の非課税限度額をわずかに超えてしまい、手取りが減ったり、医療費の負担が増えたりするのは避けたいと思う方もいるでしょう。

ここでは年金収入を非課税限度額内に留めたい場合に有効な方法をご紹介します。

3.1 年金収入を下げる方法1.iDeCoの受け取りを一時金にする

年金収入には公的年金以外にも、企業年金やiDeCoなども含みます。

iDeCoは年金として受け取る方法と一時金として受け取る方法、年金と一時金を組み合わせて受け取る方法の3つの受け取り方法があります。

年金で受け取る場合は雑所得となり、公的年金と合算され、公的年金控除額が適用された残りの金額に課税されます。そのため、公的年金と合算した時点で155万円(1級地に住む65歳以上の単身者の場合)を超えると住民税が課税されます。

公的年金が非課税限度額以下であれば、iDeCoは一時金受け取りか、あるいは一時金と併用することで年金の受け取り額を下げることで対応するとよいでしょう。

一時金受け取りにした場合は退職所得となり、一時金収入から退職所得控除額を引いて、さらに2分の1にした額に課税されます。

ただし、先に勤務先の退職金を受け取り、19年以内にiDeCoの一時金受け取りをすると勤務先の退職金とiDeCoの一時金を合わせた金額に退職所得控除額が適用されるため、課税所得が増える可能性があります。

この場合は5年ルールというものがあり、先にiDeCoの一時金を受け取り、5年経過後に勤務先の退職金を受け取れば、退職所得控除を2回使えるので、税負担を軽くすることができます。

3.2 年金収入を下げる方法2.繰上げ受給をする

年金の受け取りは原則65歳からですが、60歳から65歳になるまでの間に繰上げ受給をすることができます。繰上げ受給の請求をすると、その時点に応じて年金が減額され、その減額率は一生変わりません。

1ヵ月繰上げるごとに減速0.4%減額され、最大で24%の減額率となります。

たとえば、1級地に住む65歳以上の夫婦2人世帯の扶養している側の公的年金収入が215万円だった場合、非課税限度額を超えるため住民税が課税されます。

しかし、1年繰上げて64歳から受給を始めると、4.8%減額され204万6800円となるため、住民税非課税世帯に該当します。