5. 安心できるシニアライフのために、現役世代ができること
ここまで70歳代の貯蓄・年金・仕事事情を俯瞰してきました。
貯蓄額や年金収入には、当然個人差があります。そして働き続けるシニアが増えています。長寿時代そのものは喜ばしいことですが、長生きすればその分、必要となる老後資金も増えます。
公的年金だけを命綱とする老後の暮らしは、過酷なものとなるでしょう。
安心してセカンドライフを送るためには、リタイアまでにどこまで老後資金を準備できるかが重要となりますね。それぞれの年齢層により、効率の良い資産形成のスタイルがあるでしょう。
例えば、20歳代~40歳代では、時間を味方につけてコツコツと積立を継続する方法がおすすめです。まずは預貯金をしっかり貯めていけるとよいですね。
「iDeCo(イデコ:個人型確定拠出年金)」や「つみたてNISA」などの税制優遇制度を活用した資産運用に目を向けても良いでしょう。
リタイアまでの期間が短い50歳代~60歳代の場合、やや大きな金額で資産運用を検討してみるのも一案です。
資産運用にはリスクが伴いますが、複利の力をかりて資産を効率よく育てることに繋がります。メリット・デメリットをしっかり理解した上で、ご自身に合う資産形成のスタイルを見つけていきましょう。
「人生100年時代」はすぐそこまで来ています。預貯金・投資・保険商品などを上手に組み合わせながら、効率よくお金を「貯めて・増やして」いけるとよいですね。
参考資料
- 厚生労働省「令和3年簡易生命表の概況」
- 厚生労働省「2021(令和3)年 国民生活基礎調査の概況」
- 金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯調査](令和3年)」
- 厚生労働省「令和2年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」
- 内閣府「令和4年版高齢社会白書(全体版)」
徳原 龍裕