年金生活者の月の収支はいくらか

50歳代となると老後の生活が気になってくる頃です。貯蓄が順調な人もそうでない人も一旦、何歳までにいくら貯めるかの目標を設定しましょう。

目標設定の基準となるのが老後の生活費の収支です。ここでは、公的なデータから老後に必要な資金の目安を紹介します。

個別の詳細な収支は、ねんきん定期便や現在の家計から見積もってみるとよいでしょう。以下は、65歳以上の高齢者世帯の家計収支です。

出所:総務省「家計調査年報(家計収支編)2021年(令和3年)」より筆者作成

このデータによると夫婦世帯の平均持ち家率が91.6%となっており、持ち家を前提とした消費支出と考えられます。よって、老後に賃貸住宅で暮らす予定の人は家賃を支出の中に含めましょう。

毎月の収支の赤字30年分は夫婦世帯666万9000円、単身世帯は338万4720円です。あくまでデータ上ではありますが、生活費の不足分なので最低限準備すべき金額と考えられます。

この金額に住居のリフォーム費用や子どもへの援助、施設の入居費などの一時金を加えたものが老後に向けて準備すべき金額です。

何歳まで働くかによりますが、生活費の不足分を補うためだけなら1000万円あればまかなえるかもしれません。しかし、働いて収入を得られない老後にもまとまったお金が必要なライフイベントはあります。それらを見込んで計画的に資産形成をしていきましょう。