2022年12月9日に発表された、フリービット株式会社2023年4月期第2四半期決算説明の内容を書き起こしでお伝えします。 ※話し言葉に忠実に書き起こしております。
スピーカー:フリービット株式会社 取締役副社長CFO 清水高 氏
フリービットグループの中長期の成長イメージ
清水高氏:フリービット株式会社副社長の清水でございます。本日は、2023年4月期第2四半期の決算説明につきまして、私からご報告させていただきます。
現在、我々は中期経営計画「SiLK VISION 2024」の3年計画における2年目の第2四半期となっております。フリービットグループの今回の中期経営計画では、これまでのアプローチから若干変更いたしまして、ゾーンマネジメントを採用したアプローチによって事業のマネジメントを行っております。
前中期経営計画における我々の事業であるインフラテック事業、アドテク事業、不動産テック事業につきましては「パフォーマンスゾーン」に配置しております。このゾーンは、基本的には継続的な成長といった観点で、収益性というところに対してしっかりとコントロールしていき、収益をきちんと上げていくというかたちで考えております。
こちらの「パフォーマンスゾーン」で上げた収益、すなわち利益を原資として、今後は我々の中期経営計画での長期的な視点に立つといった観点で、業態変換が必要な事業や成長事業に転換していく事業を「トランスフォーメーションゾーン」に位置付けております。
それに加えて、新しい事業を「インキュベーションゾーン」と位置付け、戦略投資を行っていくというのが、現在の「SiLK VISION 2024」の大きな柱になっております。
フリービットグループの中長期の成長イメージ
我々の今回の中期経営計画はこのようなアプローチで進めていくということでございますが、中期的な視点としましては、今後は5G/Web3時代を見据えた、次期の中期経営計画に向けた取り組みを加速させていきたいと考えております。
まず、5Gインフラ支援事業につきましては、機器とインターネットをつなぐeSIMや、つながった先の5Gのネットワーク自体を、ヒト・モノが安心安全にインターネットに接続できるように運用していくことで、インターネットインフラを、これまでの固定網も含んだかたちの4Gから、5Gへアップデートを行うという事業を展開していきたいと思っております。
5G時代の土台となるのが、こちらの5Gインフラ支援事業ですけれども、フリービットではそれに加えて、5G生活様式支援事業と企業・クリエイター5G DX支援事業で、その上のプラットフォーマー自体を生み出して支援していくという事業を行っていきます。
5G生活様式支援事業でございますけれども、こちらについてはワークスタイルやホームスタイル、ヘルススタイルといったライフスタイル全般を、4G時代のものから5G時代のものにアップデートできるように支援する事業と考えております。
企業・クリエイター5G DX支援事業でございますけれども、こちらは社会的影響力を持っているインフルエンサー自体をどうやって生み出していくのかという「Creator Maker」や、それらを中心としたビジネスモデルを構築するプラットフォーマーを作ることで、企業やクリエイターのビジネスを4G時代から5G時代にアップデートできる支援をする事業を展開していくものでございます。
その結果として、我々はグループ全体で5G/Web3時代のPlatform Makerとなることを目指していきたいと考えております。
2023年4月期 第2四半期 連結業績サマリ
それでは、第2四半期の連結業績についてご報告させていただきます。まず、連結業績のサマリでございますが、売上高で225億8,100万円、EBITDAで19億8,900万円、営業利益につきましては会計上の実績の数字としては19億6,200万円、戦略投資等の位置付けの投資を除いたベース利益としては24億3,900万円となっております。
経常利益につきましては実績で18億500万円、ベース利益で22億8,100万円、親会社株主に帰属する四半期純利益につきましては8億4,300万円、1株当たり四半期純利益につきましては44円87銭という数字となっております。
2023年4月期 第2四半期 トピックス
トピックスでございますが、売上高につきましてはすべてのセグメントで堅調に推移しており、前年同期比で5.7パーセント増というかたちとなっております。
営業利益につきましては、前期は第4四半期に集中した戦略投資を行いましたが、今期は期初から戦略投資を実行しております。その結果、会計上の数字としましては前年同期比で4.5パーセント減となっておりますが、ベース比では7.1パーセント増となっております。
経常利益につきましてはベース比で2.7パーセント増、親会社株主に帰属する四半期純利益につきましては前年同期比で24.7パーセント減となっておりますけれども、業績予想比については計画を大きく上回る数字で着地しているというかたちとなっております。
「SiLK Investment Policy」に基づき、フルスピードの完全子会社化を上半期で実行し、こちらについてはほぼ完了しております。会計上の処理として、第3四半期の期首に完全子会社の会計処理を行うことになっておりますが、基本的には完了したかたちになっております。
これまでは少数株主への配慮というところがございましたけれども、そのような部分もなくなったかたちになりますので、本格的なPMIの実行と生産革命領域(Maker Movement)へのシフトに入っていきたいと考えております。
2023年4月期 連結業績進捗
連結業績の進捗です。ご覧のシートは四半期ごとの推移となっておりまして、売上高については、ほぼ計画どおりに推移しております。営業利益については、5Gインフラ支援事業を中心として好調な推移となっております。
それに加えて、戦略投資につきましては、もともとの計画と比べて効率的・効果的に行うことができております。その結果として、ベース利益の好調な推移に加えて、第2四半期の会計期間でベース利益13億3,200万円という数字を実現できております。
2022年4月期と2023年4月期の戦略投資内訳
前期から今期にかけての戦略投資の内容です。スライドの図をご覧いただいてわかるとおり、今期については期首からの戦略投資を、前期を上回る水準で実行しております。
戦略投資の金額につきましては、第2四半期までの累計で、5Gインフラ支援事業が1億3,200万円、5G生活様式支援事業が2億7,300万円、企業・クリエイター5G DX支援事業が7,000万円といった投資額になっています。
5Gインフラ支援事業のデータセンターの統廃合につきましては、第2四半期までも戦略投資を行ってきましたが、第3四半期からようやく機器の調達も揃ってくるところがあります。したがって、費用と支出はここからもう一段階膨らんでくると思っております。
5G生活様式支援事業につきましては、「TONE」のプロモーション関連というかたちでスライドに記載しております。ちょうど1年前から行っております「エコノミーMVNO」につきまして、今期注力しているというところになっています。
特にドコモショップ2,300店舗への販売支援を強化しているところでございます。また、ユーザー獲得見合で販売施策、広告施策を行っておりますので、このようなところは効率的に展開できています。
企業・クリエイター5G DX支援事業につきましては、Creator Makerの領域であります「StandAlone」の開発と、販売に向けた人材拡充を行っております。
前年同期比差異分析 売上高
前年同期比の差異分析でございます。売上高につきましては、すべてのセグメントが堅調に推移しており、前年同期比で5.7パーセント増加の225億8,100万円という着地となっております。
前年同期比差異分析 営業利益
営業利益につきましては、先ほど説明いたしました戦略投資の実行といった部分もあり、前年同期比では実績で4.5パーセント減となっております。一方、主に5Gインフラ支援事業の堅調な推移によりまして、ベース利益では7.1パーセント増加の24億3,900万円となっております。
前年同期比差異分析 経常利益
経常利益につきましては、営業利益の減少に加え、今回一時的な要因となりますけれども、フルスピードの完全子会社化関連費用が発生しております。その結果、前年同期比で実績は9.7パーセント減少しているものの、ベース比では2.7パーセント増加の22億8,100万円となっております。
前年同期比差異分析 親会社株主に帰属する四半期純利益
親会社株主に帰属する四半期純利益でございますけれども、経常利益の減少に加え、税金費用の前年比較での増加により、前年同期比では24.7パーセント減少となっております。一方、業績予想比では計画を上回る水準の8億4,300万円という数字になっております。
連結業績サマリ BS比較
バランスシートの比較でございますが、前期末比で比較すると、純資産が大きく減っているかたちとなっております。
繰り返しになりますが、こちらはフルスピードの完全子会社化の第1フェーズであるTOBの実施分を反映させているところになっております。残りの第2フェーズのスクイーズアウトに関する会計処理については、第3四半期でご説明するかたちとなっておりますので、ご留意いただければと思っております。
1人当たり売上高・営業利益
1人当たりの売上高・営業利益でございますが、こちらについては前期と同水準を維持できる見込みとなっております。
セグメント別構成
セグメント別業績のご説明に移らせていただきます。セグメント別の構成については、スライドのような構成になっております。前期からほぼ同じような構成割合となっており、全セグメントで等分の成長ができている状況だと思っております。
5Gインフラ支援事業進捗
5Gインフラ支援事業の進捗としましては、B2Bモバイルのサービス利用の増加と、B2B固定網のコスト改善が寄与し、前年同期比で46.4パーセントの利益の増加になっております。戦略投資につきましては、データセンターの統廃合による影響額が発生しており、今後についても発生していく見込みで考えております。
5Gインフラ支援事業 モバイルサービスの事業構造
先ほど申し上げたB2Bモバイルの利益の増加といったところですけれども、現状で帯域数は継続的に増加している状況になっております。直近の見通しについては、すでに2023年4月期計画と比べても、若干上回っていくようなかたちの数字だと思っています。
一方で、売上を前期比で比較していくケースにつきましては、やはり帯域単価が継続的に下落しております。会計数字上は売上としてはなかなか伸びているようには見えないというところがございますけれども、粗利といった部分については確実に積み上げることができているというところになっております。
加えて、前期末から低価格な通話パッケージを市場に投入しておりまして、その結果として、データと音声SIMの提供数が非常に増えてきています。その結果、サービス粗利が継続的に増加できているかたちとなっております。
今後についても、それ以外の上位レイヤーのサービスを付け加えていきまして、成長していくトレンドを描きたいと考えております。
【業績進捗】5G生活様式支援事業(生活革命領域)
5G生活様式支援事業です。こちらについては「5G Homestyle」が堅調に推移しております。
5G生活様式支援事業進捗
一方で、冒頭にも申し上げたとおり、今期につきましてはドコモの「エコノミーMVNO」の施策にしっかりと注力していきたいと考えています。加えて、新規プロダクト群への投資についても積極的に行っております。その結果、前年同期比7.4パーセントの利益減の12億5,300万円といった数字となっております。
5G生活様式支援事業進捗
先ほど申し上げたとおり、「エコノミーMVNO」に注力しているという施策の一環もありまして、基本プランのバージョンアップを当モバイルで行っています。
さらにドコモショップでのスイートスポットにあたるだろうということで、60歳以上をターゲットにした「シニア割」を発表し、投入している状況でございます。
5G生活様式支援事業進捗
「5G Homestyle」については、主にギガプライズグループが展開しており、こちらは提供戸数が堅調に増加しております。3月期の着地としては105万戸をターゲットにしておりますが、現状でも97.4万戸というかたちで、通期予想に到達できそうな進捗で推移しております。
5G生活様式支援事業進捗
これまでは大手デベロッパーさまに向けた集合住宅の提供に注力してきましたが、今後はよりハード面の拡大を目指し、戸建分譲地へのご提供も開始いたしました。こちらは出資先である株式会社Secualと共同で、戸建の分譲地向けサービスの提供を開始することを発表いたしました。
また、積水化学工業株式会社のスマートタウン戸建分譲地向けに、第1号案件というかたちで提供の開始を発表させていただいております。
5G生活様式支援事業進捗
本日12月9日に、ギガプライズがLIVINGTOWN みなとみらいをオープンすることを発表しております。住宅展示場という旧来型のビジネスモデルだけではなく、グループ全体の戦略目標である5GやWeb3時代を見据え、体感・体験ができる、新たな住まいや暮らしを提案する場にしたいと考えております。
5G 、Web3の取り組みについては、ギガプライズが展開しているIoT向け商品群の紹介に加え、グループ全体で進めているWeb3型のデジタルキーのプロダクト提案を、第1段階だけではなく、第2段階フェーズでも提供していきたいと思っております。
企業・クリエイター5G DX支援事業進捗
企業・クリエイター5G DX支援事業についてです。人件費や広告費を投入し、売上高は増加傾向となっております。その結果として、利益は前年同期比で4.1パーセント減少という結果で着地しております。
第1四半期については、ベース利益も前年同期比でマイナスだったところがありますが、第2四半期については、前年と比較して大きくトレンドが変わってきているところでございます。
フルスピードの完全子会社化完了および今後について
PMIに注力していく内容となっております。フルスピードの完全子会社化が11月1日に完了したことも踏まえまして、当初から期待しているシナジーは、スライドに記載している3つになります。こちらは今年の下期から来年度にかけて、順次実行していこうと考えています。
特にグループを横断した経営リソース、人的リソースについては、上場維持コストを削減するだけでなく、グループ一体として運営することを見据えて、最適化を進めていきたいと思っています。
また、新規事業領域については、非上場化したことによって、より長期的な目線で取り組んでいくことができるようになりました。グループ各社が個別ではなく一体となって運営するため、リソース部分を重点的に配分することができるようになりますので、機能強化や外販の強化、外販の開始も行うことで、来期以降の業績の貢献につなげていきたいと考えております。
フリービット・フルスピード共同事業 取組事例
「StandAlone」の進捗です。すでに3つのプロダクトをリリースしております。それに加え、新規の営業案件の開拓も着実に進めております。このようなところを数多く投入していきたいと思っております。
2023年4月期 第2四半期連結業績進捗
第3四半期以降の見通しです。第2四半期までの連結業績の進捗ですけれども、スライドに記載したとおりとなっております。売上高については計画どおりに推移しておりますけれども、戦略投資については効率的に実行できていることもあり、当初の見通しと比べて消化状況は25.1パーセントとなっております。
営業利益については、戦略投資の影響に加えて、ベース利益の堅調な積み上げがありますので、通期業績予想に対する進捗率としては67.7パーセント、経常利益については68.1パーセント、親会社株主に帰属する四半期純利益については120.5パーセントといった進捗状況となっています。
2023年4月期 第3四半期以降の見通し
第3四半期以降の見通しについてです。売上高は先ほど申し上げたとおり、業績予想どおりに移行している状況です。それが継続していくと考えております。
戦略投資については、来期ならびに次の中期経営計画を見据え、引き続き実行していきたいと思っています。内容としては、すでに計画しているものを着実に実行していきたいと考えております。
一方で、直近の円安傾向や電力料金の高騰を踏まえた物価上昇といったマクロ経済指標の変化による影響が、下期から来期に向けて、我々のグループにも一部発生する状況が発見されております。
値上がりする部分について、今期に対策できることがないかというところも含めて、今後積極的に対応していかなければならないと思っています。そのようなところも踏まえ、営業利益以下の各段階利益については、現段階で業績予想は変更せずに、進捗に応じて判断していきたいと考えております。
我々フリービットグループは、5G/Web3時代のPlatform Makerになるべく、今後も事業に邁進していきたいと考えております。本日の決算発表の内容は以上となります。最後までご視聴いただき、ありがとうございました。