2022年ももうすぐ締めくくりです。

今年は食品を中心とした値上げが加速し、公的年金が0.4%引き下げになるなど、財布に厳しい1年になりました。

年金生活を思うと、景気に左右されない安定した生活を送りたいと思いますよね。

ただし、厚生年金がない、あるいは独立して厚生年金を抜けた方などは、将来国民年金のみとなります。

もし保険料を40年間きっちり納めていても、受け取れる国民年金はマックス6万4816円。これでは生活が苦しくなると感じる方も多いのではないでしょうか。

では国民年金しか受給できない自営業者やフリーランスの方の場合、年金をアップさせる術はあるのでしょうか。見ていきましょう。

【注目記事】【年金】みんな「厚生年金と国民年金」は本当は月いくらもらっているのか

1. 自営業者や専業主婦は国民年金のみの受給に

日本の年金制度は2階建て構造になっています。

1階が国民年金(基礎年金)、2階が厚生年金(被用者保険)です。

1/3

出所:日本年金機構「国民年金・厚生年金保険 被保険者のしおり」(令和4年4月)、厚生労働省「日本の公的年金は『2階建て』」をもとに、LIMO編集部作成

国民年金には日本に住む20~60歳未満のすべての人が加入しますが、働き方に応じて3つに分けられます。

  • 第1号被保険者:自営業、20歳以上の学生、無職など
  • 第2号被保険者:会社員・公務員など
  • 第3号被保険者:第2号被保険者に扶養される配偶者

このうち第2号被保険者は、2階部分である厚生年金にも加入します。将来は国民年金と厚生年金が受給できるため、年金額は手厚くなることがわかります。

一方で、第1号被保険者や第3号被保険者は国民年金のみの受給になります。そのため、年金の上乗せが特に必要と言えるでしょう。

年金アップ術を見ていきます。

2. 年金アップ術1. 繰下げ受給

年金の受給額を手っ取り早くあげたい場合、年金の「繰下げ受給」が選択肢となります。

本来65歳からである受給開始年齢を遅らせることで、受給額をアップさせる方法です。受給を1カ月遅らせるごとに0.7%が増額され、1年間遅らせると増加率は8.4%になります。

2/3

出所:日本年金機構「老齢年金ガイド令和4年度版」

最長で75歳まで受給を遅らせた場合、増加率の上限は84%にもなります。

ただし「年金開始までの収入源を確保する必要がある」「税金や保険料が高くなる」などのデメリットもあります。

「早く亡くなったら損しそう」などの懸念から、実際に選択されることはまだまだ少ないです。

3. 年金アップ術2. 国民年金基金

自営業の方などは、国民年金基金に加入する方法があります。

国民年金保険料に加え、国民年金基金にて自分で決めた掛け金を納め、将来の年金額を増やすという選択肢です。

掛け金は所得控除の対象になるので、今の税負担も軽減できるメリットがあります。

4. 年金アップ術3. 付加保険料

毎月支払っている年金保険料に加えて「付加保険料」(月額400円)を支払うことで、年金受給額を増やすという方法もあります。

付加年金額(年額)は、「200円×付加保険料納付月数」。つまり、2年以上受け取れば支払った以上に年金が受け取れる計算になります。

3/3

出所:日本年金機構「付加保険料の納付のご案内」

毎月の定額保険料(2022年度で1万6590円)を40年間納めた場合の満額は77万7800円ですが、付加保険料を40年間納めることで87万3800円にできます。

ただし、国民年金基金との併用はできないことに注意しましょう。

5. 年金アップ術4. 私的年金

国民年金や厚生年金といった公的な年金だけでなく、個人年金保険やiDeCoなど自分で備える私的年金もあります。

個人年金保険では、生命保険料控除を使って現在の税負担を減らせます。iDeCoであれば、拠出時と運用時、受け取り時にも税制優遇があります。

自営業の方だけでなく、自営業から現在会社員になった方など、厚生年金加入者も検討できる手段です。

おわりに

年金を上乗せする術として、繰下げ受給、国民年金基金、付加保険料、私的年金をご紹介しました。

年金を増やす方法はたくさんありますが、どれが合うかは個人によって異なります。そもそも年金アップではなく「貯蓄」が合っている方もいるでしょう。

いずれにしても、老後を迎えてから「年金も貯蓄も足りない!」という事態は避けたいものです。

年金見込額を把握した上で、年金を増やす方法と老後資金を貯める方法について、しっかり情報収集を行いたいですね。

参考資料