「今の高齢者は、年金をいくらもらっているのだろう」そう疑問に思う方もいるのではないでしょうか。
日本年金機構によると、夫婦2人分の標準的な年金は21万9593円です。しかし、これは会社員と専業主婦でのモデル年金です。
現在では共働き夫婦も増えたため、当てはまる世帯は少数でしょう。
今回は、共働き夫婦が受け取れる「厚生年金と国民年金」について解説します。
冬休みはじっくりマネープランを立てるのに適した時期となるため、それまでにいろいろ情報収集をしておきましょう。
【注目記事】厚生年金だけで「ひと月平均20万円以上の年金収入」という羨ましい人は男女で何割か
1. 日本の公的年金制度をおさらい(初心者向け)
まず、年金制度にあまり馴染みがないという方向けに、日本の公的年金制度の基本を解説します。
公的年金は国民年金と厚生年金の2階建て構造です。
2. 国民年金(基礎年金とは)
国民年金(基礎年金)とは、2階建て構造の1階にあたる部分で、日本に住む学生、会社員、主婦、自営業者など、20歳から60歳までのすべての国民が加入対象です。
国民年金の保険料は一律で、将来の年金支給額は納付期間によって決まります。
2.1 厚生年金とは
厚生年金とは、図でいう2階部分にあたる年金で、会社員や公務員など、国民年金第2号被保険者が加入します。
将来の年金給付額は、支払った厚生年金保険料と納付期間によって決まります。
このため共働き夫婦の年金受給額は、会社員や自営業者などの働き方で異なってきます。次で詳しく見ていきましょう。
3. 共働きの年金受給額:会社員の場合
夫婦がともに会社員や公務員であれば、厚生年金を2人分受給することになります。
具体的な受給額について、厚生労働省「令和2年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」をもとに見ていきましょう。
3.1 厚生年金の平均受給額(一人あたり)
〈全体〉平均年金月額:14万4366円
- 〈男性〉平均年金月額:16万4742円
- 〈女性〉平均年金月額:10万3808円
※国民年金の金額を含む
3.2 受給額ごとの人数(男女合計)
- 1万円未満:10万511人
- 1万円以上~2万円未満:1万8955人
- 2万円以上~3万円未満:6万6662人
- 3万円以上~4万円未満:11万9711人
- 4万円以上~5万円未満:12万5655人
- 5万円以上~6万円未満:17万627人
- 6万円以上~7万円未満:40万1175人
- 7万円以上~8万円未満:69万4015人
- 8万円以上~9万円未満:93万4792人
- 9万円以上~10万円未満:112万5260人
- 10万円以上~11万円未満:111万9158人
- 11万円以上~12万円未満:101万8423人
- 12万円以上~13万円未満:92万6094人
- 13万円以上~14万円未満:89万7027人
- 14万円以上~15万円未満:91万3347人
- 15万円以上~16万円未満:94万5950人
- 16万円以上~17万円未満:99万4107人
- 17万円以上~18万円未満:102万4472人
- 18万円以上~19万円未満:99万4193人
- 19万円以上~20万円未満:91万6505人
- 20万円以上~21万円未満:78万1979人
- 21万円以上~22万円未満:60万7141人
- 22万円以上~23万円未満:42万5171人
- 23万円以上~24万円未満:28万9599人
- 24万円以上~25万円未満:19万4014人
- 25万円以上~26万円未満:12万3614人
- 26万円以上~27万円未満:7万6292人
- 27万円以上~28万円未満:4万5063人
- 28万円以上~29万円未満:2万2949人
- 29万円以上~30万円未満:1万951人
- 30万円以上~:1万6721人
厚生年金の受給額には、上記のとおりばらつきがあります。これは、現役時代の報酬(給料)によって受給額が決まることが影響しているとみられます。
仮に平均額を受給する場合、男性:16万4742円+女性:10万3808円=26万8550円となり、これが共働き夫婦の年金受給額となります。
4. 共働きの年金受給額:自営業の場合
夫婦ともに自営業、あるいはフリーランスという場合もあるでしょう。この場合、国民年金を2人分受給することになります。
厚生労働省の同資料より、国民年金の受給額の実態も見ていきましょう。
4.1 国民年金の平均受給額(一人あたり)
〈全体〉平均年金月額:5万6252円
- 〈男性〉平均年金月額:5万9040円
- 〈女性〉平均年金月額:5万4112円
4.2 受給額ごとの人数(男女合計)
- 1万円未満:7万4554人
- 1万円以上~2万円未満:29万3600人
- 2万円以上~3万円未満:92万8755人
- 3万円以上~4万円未満:284万2021人
- 4万円以上~5万円未満:466万3638人
- 5万円以上~6万円未満:776万979人
- 6万円以上~7万円未満:1483万5773人
- 7万円以上~:188万2274人
もし平均通りの年金額を受給する場合、男性:5万9040円+女性:5万4112円=11万3152円です。
会社員の共働きでは平均が26万8550円だったので、同じ共働きでも大きな差があることがわかります。
5. 厚生年金と国民年金「共働き夫婦」の受給額から考えること
公的年金制度の基本をおさらいしたうえで、共働き夫婦の受給額を確認してきました。
夫婦ともに厚生年金に加入している共働き夫婦の場合、年金の支給額はより手厚くなります。ただし、今回ご紹介したのはあくまでも現在の高齢者における平均値です。
- 個人差が激しい
- 年金の水準は減少傾向にある
という状況を見るに、年金だけで安心することは危険だといえます。ねんきんネットやねんきん定期便などで、現時点での目安額を一度確認してみましょう。
とくに自営業で国民年金のみに加入している人は、老後の貯蓄を早めに進めておきたいところです。
とはいえ、老後に必要な金額は世帯によって異なります。年金の現状を知った上で、今後のマネープランをじっくり考える時間を作ってみることをおすすめします。



