5. 1年前のアンケート調査では、むしろ忘年会に前向きな回答が多かった!

実はちょうど1年前、株式会社リクルートライフスタイルの外食市場に関する調査・研究機関「ホットペッパーグルメ外食総研」が忘年会・新年会(2018年12月~2019年1月)に関するアンケート調査を実施しました。

その調査結果によれば、

  • 忘・新年会への参加回数は「昨年度並み」
  • 1回あたりの予算額は増加
  • 「会社・仕事関係」の忘・新年会の実施予定が過去最高で、20~30代で「積極的に参加したい」が増加

などの傾向が見られました。

グルメ情報誌の発行やグルメサイトの運営を行っている機関のアンケートなので、多少のバイアスがかかっている可能性に注意しなければなりませんが、それを割り引いても、忘年会に対して過度に消極的なスタンスを見出すことはできません。

今年も同様のアンケート調査を実施したのか定かではありませんが、この1年間で忘年会に対する意識が大きく変化したと思うのは筆者だけでしょうか?

6. この1年間で飲食費に大幅な割高感が生じている

1つ考えられるのは、この1年間で飲食費に大幅な割高感が生じたことです。ここでいう割高感とは、単純な価格だけでなく、実質的な価格上昇も含んでいます。

先ず、社員の収入減少が挙げられましょう。その最大要因は、いわゆる“働き方改革”による残業代の減少です。

日本でも外資系企業を中心に年収ベース(年間固定給に加え、業務成績に応じた賞与支払い)の報酬制度を導入するケースが増えましたが、それでも、まだ残業代によって収入が変動する人が多いと思われます。そして、事実上の大幅な残業規制を強いられ、月々の手取り額が目減りした社員も少なくないでしょう。

そのため、忘年会に限らず、飲み会や外食を控えている人も多いと推察されます。昨年もこの影響はあったと考えられますが、この1年間でそれが拡大したとしても不思議ではありません。

また、全般的に食材が高騰していることに加え、10月からの消費増税(外食は軽減税率適用外)で価格が上昇しています。こうした要因を勘案すると、忘年会を始めとする飲み会代は、思った以上に財布を直撃すると考えられます。