さまざまなできごとが起きた2022年も、のこりあとひと月足らずです。

年末恒例の「現代用語の基礎知識選 2022ユーキャン新語・流行語大賞」では「悪い円安」がトップ10入りして話題に。

電気・ガス料金、食料品などの相次ぐ値上げが家計を直撃した年でもありました。特に年金暮らしのシニア層にとっては大きな負担となったことでしょう。

今回は老後の年金ついてのお話です。今のシニア世代は公的年金をどのくらい受給できているかを探っていきます。

【注目記事】厚生年金だけで「ひと月平均20万円以上の年金収入」という羨ましい人は男女で何割か

1. 国民年金+厚生年金「2階建て」年金制度のキホン

さいしょに日本の公的年金制度のキホンを確認します。

日本の年金制度は「2階建て」

出所:日本年金機構「国民年金・厚生年金保険 被保険者のしおり」(令和4年4月)、厚生労働省「日本の公的年金は『2階建て』」をもとに、LIMO編集部作成

日本の公的年金制度は、国民年金(基礎年金)と厚生年金の2つの年金制度から構成されます。上図のイメージのような「2階建て構造」ですね。

国民年金・厚生年金の大きな違いは以下の通りです。

1.1 国民年金

  • 加入対象:原則、日本に住む20歳から60歳未満の方
  • 保険料:一律(年度ごとに見直しが行われます)
  • 年金額:満額77万7792円(※)✕調整率

※令和4年度の年額。480カ月に未納期間がある場合は差し引かれます。

1.2 厚生年金

  • 加入対象:主に会社員、公務員など
  • 保険料:報酬比例制(毎月の報酬により決定)
  • 年金額:加入期間や納付保険料により決定(国民年金に上乗せで支給されます)

国民年金は保険料が一律(※)のため、加入する期間で受給金額が変わります。一方、厚生年金では納付期間中の収入によっても受給額が変わるため、加入期間が同じでも受給額に差が出るのが特徴です。

※国民年金保険料(2022年度・月額):1万6590円