2. 厚生年金の計算方法を確認
ここからは、実際に厚生年金の受給額がどのように計算されるのかを確認してみましょう。
年金の計算方法はやや複雑ですが、厚生年金の年金額（報酬比例部分）の計算式は以下の通りです。
(1)平成15年3月以前＝平均標準報酬月額×7.125/1000×平成15年3月以前の月数
(2)平成15年4月以後＝平均標準報酬額×5.481/1000×平成15年4月以後の月数
(1)＋(2)＝厚生年金の年金額（報酬比例部分）
※7.125/1000および5.481/1,000は、昭和21（1946）年4月2日以後生まれの人の乗率
平均標準報酬月額は「月給の平均額」のことで、平均標準報酬額は「月給と賞与を合わせて12で割った額」です。
3. 「厚生年金・ひと月30万円」受け取る人の、現役時代の収入は？
厚生年金の月額が30万円以上の人の現役時代の報酬はどの程度だったのでしょうか。平成15年4月以後に加入した例で考えます。
＜条件＞
老齢基礎年金（国民年金）の満額：78万円
厚生年金：40年間加入
厚生年金の報酬比例部分＝360万円（月30万円）－78万円（国民年金部分）＝282万円
平均標準報酬額×5.481/1000×480月＝282万円
平均標準報酬額＝約107万円
107万円×12＝1284万円
計算式に当てはめると、厚生年金で「月30万円」を受け取るためには年収約1284万円以上が必要となります。
厚生年金を20万円と仮定すると以下の通りです。
厚生年金の報酬比例部分＝240万円（月20万円）－78万円（国民年金部分）＝162万円
平均標準報酬額×5.481/1000×480月＝162万円
平均標準報酬額＝約62万円
62万円×12＝740万円
「年収1284万円」となるとだいぶハードルは高めですね。ちなみに、年収約740万円の場合は、年金月額約20万円となります。
また、男女全体の平均的な年金月額の「約15万円」を受け取る人の場合、現役時代の年収が約465万円となります。
このように、厚生年金加入期間中の年収次第で、受給金額に大きな個人差が生じることを念頭におく必要があるでしょう。
