60歳代の方にとって、いつリタイアするかは大きな悩みでしょう。

物価高や貯蓄を考えれば、仕事を続けるべきだと思う。けれど、セカンドライフくらい自分の好きなことをしたい。そう悩む方も多いのではないでしょうか。

実際にリタイアした65歳以上の方はどれくらい貯蓄を保有しているのでしょうか。60歳代の厚生年金と国民年金の平均額についても見ていきます。

65歳以上世帯の平均貯蓄額「2000万円超」

物価高が相次ぐ昨今。総務省の「2020年基準 消費者物価指数 東京都区部 2022年(令和4年)11月分(中旬速報値)」によれば、変動の多い生鮮食品を除いた総合指数は前年同月比3.6%上昇となっています(2022年11月25日公表)。

このような状況で仕事を辞めるのは勇気がいりますが、リタイア世帯は貯蓄をいくらくらい持っているのでしょうか。

まずは二人以上の世帯のうち、世帯主が65歳以上の世帯の貯蓄現在高階級別の世帯分布を確認しましょう。

出所:総務省「家計調査報告(貯蓄・負債編)-2021年(令和3年)平均結果-(二人以上の世帯)」

65歳以上の世帯の貯蓄現在高(平均・中央値)

  • 平均:2367万円
  • 貯蓄保有世帯の中央値:1588万円

平均は「老後2000万円」を超えました。

しかし分布を見てわかる通り、世帯により差が大きいことがわかります。

2500万円以上の世帯をみると、全体の33.3%と約3分の1を占めています。

ただ300万円未満の世帯も14.8%います。