3. 退職金がいくらだと住民税非課税になる?

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退職金に住民税がかかるのは、前述したとおりです。しかし、退職金額によっては住民税非課税になる場合もあります。住民税非課税になる退職金額はいくらなのでしょうか。22歳で就職し、60歳まで同じ会社に勤めた場合を例に見てみましょう。

3.1 <退職金額が2000万円の場合>

22歳から60歳まで同じ会社に勤めたのですから、勤続年数は38年です。退職所得控除額は、以下のようになります。

退職所得控除額=800万円+70万円×(38年-20年)=2060万円

退職金額より多くなりました。退職金額から退職所得控除額を差し引くと、マイナスになりますね。税率10%をかけても0円です。22歳から60歳まで勤めた場合、退職金額が2000万円なら住民税非課税になることがわかります。

では、勤続年数が38年で、退職金額が2500万円の場合はどうでしょうか。退職金額2500万円の場合、住民税は以下のようになります。

3.2 <退職金額が2500万円の場合>

同じく退職所得控除額の2060万円を退職金額から差し引きます。

2500万円-2060万円=440万円

退職所得控除額を差し引いたあとに2分の1をかけて、課税退職所得額を求めます。最後に税率10%をかけるのも、忘れないようにしましょう。

440万円×2/1=220万円

220万円×10%=22万円

住民税=22万円

22歳から60歳まで同じ会社に勤めて、2500万円の退職金をもらった場合、住民税は22万円になります。住民税非課税にはなりませんね。