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(初公開日:2021年11月28日)

老後の暮らしに漠然とした不安を抱えていらっしゃる方は多いでしょう。

自分の老後の生活費はいくらかかるのか?主な収入源となる年金は、どのくらいになるのか?といった情報に触れる機会少ないことも、その背景にありそうですね。

そこで本日は、FP資格を保有するファイナンシャル・アドバイザーの私から、厚生年金のなかでも「ひと月10万円未満の人」の割合に的をしぼり、老後の生活費についても触れてお話ししてまいります。

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1. 厚生年金「ひと月10万円未満の人」は何割?

厚生年金保険に加入するサラリーマン(会社員・公務員など)は「第1号被保険者」から「第4号被保険者」に区分されています。今回は、民間企業の会社員である「第1号被保険者」の年金受給額の実態を追っていきます。

厚生労働省年金局の「厚生年金保険・国民年金事業年報 令和元年度」を参考にして、厚生年金のひと月の受給額事情を見ていきます。

1.1 【厚生年金保険(第1号)】平均年金月額

※厚生年金保険(第1号)の年金月額は、国民年金(基礎年金)部分を含みます。

全体平均:14万4268円(男子平均:16万4770円・女子平均:10万3159円)

男性の平均月額は16万円台、女性の平均額は10万円台。その差約6万円ですね。

厚生年金の受給額事情に迫るために、次に「年金月額階級別老齢年金受給権者数」をもとに、受給額の分布を見ることによって、「どのくらいの人」が「どのくらいの年金額」を受け取っているのか確認していきましょう。

厚生年金の場合、現役時代に収入に応じた年金保険料を納め、それが老後の受給額に響きます。そこで、こうした個人差・男女差が生じるわけです。

男女合わせると厚生年金を月10万円未満しか受給できない人は、全体で378万4122人いて、全体の割合では約23%になります。

男子の場合は、月10万円未満の受給者が112万7701人で割合では約10%と低めです。一方、女性の場合は、月10万円未満の受給者が265万6421人いて、約50%を占めます。

老後を暮らしていくうえで、年金収入は「世帯合算」でとらえる必要があります。「夫婦合算であればそこそこの年金額になりそう」というケースもあるでしょう。

また、単身世帯、特に「女性のおひとりさま世帯」の場合は、しっかりと老後資金対策を進めておく必要があるかもしれませんね。