1992年と2020年の平均給与を検証
国税庁による平均給与データから、令和2年度(2020年)を起点として、30年前の平成2年の平均給与と、働き手の平均年齢や平均勤続年数を比較しました。
30年間の平均給与、年齢、勤続年数を比較
平成2年度の平均給与は年収425万2000円、令和2年度の平均給与は433万1000円です。30年の間におおよそ8万円程度、平均給与が上昇したことになります。
平成22年度の平均給与が412万円だったことを考えると、直近10年の中でも令和2年度分の平均給与は高い部類です。
国税庁の民間給与実態統計調査は、約30年前の平成2年度からアップダウンを繰り返しつつ、日本企業の給与がなかなか上がらない実態を表しています。
なお、働き手の平均年齢は30年前から約5歳上がり、平均勤続年数は約1年上昇しています。
この調査結果から、上の世代の労働市場は流動性を欠いており、人の入れ替わりが少ないと見てよいでしょう。
最新の給与分布
令和2年度分の給与分布を以下の表にまとめました。
平均給与が上がっていないことを裏付けるように、給与分布も変化が見られません。主なボリュームゾーンは男性で100万円〜600万円以下のゾーン、女性では100万円〜400万円以下ゾーンです。
女性は400万円〜500万円以下のゾーンが少しずつ増えつつあり、男性は600万円以上の割合で少し陰りが見えています。
高所得者の割合は少し減少しつつも、平均年収が上がらない代わりに減ることもなく、年収の分布にも大きな変化が見られないという状況が長年続いています。