2.2 賃貸住宅

賃貸住宅では、ローンの返済の代わりに、毎月の家賃が発生します。固定資産税などの維持費の支出はありませんが、契約の際に礼金、敷金を求められることが多く、住み続けるためには更新料も必要です。

高齢者世帯において、賃貸暮らしの家賃を払い続けるには、家賃を負担するための一定の収入や蓄えが必要です。

しかし、賃貸はデメリットばかりではなく、暮らしの変化に合わせた住宅選びができるというメリットがあります。

たとえば、子どもや友人の近くで暮らしたい、駅近で交通の便のいい場所に住みたいなど、柔軟な住み替えが可能です。

ただし、気をつけたいのは、賃貸契約において高齢という理由で契約を断られるケースがあることです。賃貸住宅に住む場合は、年齢的なことを考慮して住み替え計画を立てることが大切です。

2.3 有料老人ホーム

いざ介護が必要になったときに子どもや身内に迷惑をかけたくないという理由から、有料老人ホームを選ばれる方もいます。

有料老人ホームでは、介護サービスの提供を受けることができるため、万一介護が必要となっても慌てて住み替えをしたり、住宅の改修をしたりすることもないため安心して生活ができます。

有料老人ホームは民間施設ですが、ケアハウスなど自立期から入居できる公的施設もあります。

施設により受けられるサービスは違いますが、バリアフリー構造であること、安否確認や見守りサービス、掃除や洗濯などの家事代行、食事サービスなどの提供があります。

ただし、費用が高いのがデメリットです。

施設の種類や場所、広さなどにより差はあるものの、多くの場合、入居の際に数十万から数百万の一時金が必要で、さらに毎月数十万の利用料がかかります。

平均的な年金収入で住居費を負担することは難しいと考えられるため、預貯金を取り崩す、持ち家を売却するなど、計画的な資金調達が必要になるでしょう。