厚生労働省の直近資料によると、厚生年金の受給額は月平均で14万4366円(老齢基礎年金を含む)です。
しかし、その人数分布に着目すると、平均並みの「月15万円以上」を受給している人は男性で約65%、女性で約9%しかいません。
個人差が大きいのは、厚生年金の受給額が「現役時代の報酬や加入期間に左右されるから」です。
つまり長く勤めた方、多く稼いだ方がたくさんの厚生年金をもらえるということになります。
では、年収が200万円の方は将来いくらの厚生年金が受け取れるのでしょうか。現役時代の収入・加入期間を軸とした年金受給額の早見表とともにご紹介します。
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1. 公的年金は厚生年金と国民年金の2階建て
年金は、厚生年金だけではありません。そもそも日本の公的年金は、国民年金と厚生年金という2種類の年金で構成されているのです。
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出所:日本年金機構「国民年金・厚生年金保険 被保険者のしおり」(令和4年4月)、厚生労働省「日本の公的年金は『2階建て』」をもとに、LIMO編集部作成
1.1 国民年金(基礎年金)
1階の国民年金(基礎年金)は、日本国内に住む20歳以上60歳未満の全員に加入する義務があります。将来、65歳までの加入義務にする案も出ていますね。
国民年金の保険料は一律で、納付した期間に応じて将来もらえる年金の額が決まります。
1.2 厚生年金保険(被用者年金)
厚生年金は、公務員やサラリーマンなどが加入できるもので、支払う保険料はその組織から受け取る報酬に応じて変わります。将来もらえる年金額は、加入期間や納付額に応じて決まります。
報酬が高ければ納付額も増えますが、将来受け取る際にその分多くもらえるということですね。
1.3 公的年金は世代間扶養
年金は、今支払っている保険料を積み立てて、当人が受け取るわけではありません。
現役世代が支払った保険料を、その時代の年金受給者に分配する仕組みとなっているのです。こうした方式から世代間扶養とも言われます。
私達が年金の受給者となった際は、その時の働き手が年金の資金源を作ることになります。また彼らの保険料以外にも、年金積立金や税金などが年金の財源に充てられます。
こうした背景から、仮に同じ保険料を納めた人であっても、年金の受給額は年代によって変化することにはご留意ください。
2. 厚生年金の受給額はどう計算する?
厚生年金の受給額は、現役時代の報酬によって決まることがわかりました。毎月の収入や年収は変動するものですが、計算には厳密には年収ではなく「平均標準報酬月額」や「平均標準報酬額」を用います。
2.1 「平均標準報酬月額」や「平均標準報酬額」とは
- 平均標準報酬月額:4~6月の月給の平均額
- 平均標準報酬額:月給と賞与を合算して12で割った額
厚生年金の計算方法は2003年4月を境に変わっており、どちらを用いるかも変わりました。
2.2 厚生年金の計算方法
1. 2003年3月以前の年金額=平均標準報酬月額×7.125※/1000×平成15年3月以前の月数
2. 2003年4月以後の年金額=平均標準報酬額×5.481※/1000×平成15年4月以後の月数
※生年月日ごとに乗率は代わります。上記では、昭和21年(1946年)4月2日以降生まれの人の乗率を使用。
1と2の合計が、年金受給額の報酬比例部分となります。年金にはさらに加算される要素もあるため、個人で算出するのは難しいでしょう。
3. 年収200万円の人が受け取れる厚生年金はいくらか(年収別早見表)
ここでは厚生労働省が運用する「公的年金シミュレーター」を使い、年収200万円の人が受給できる年金額をシミュレーションしてみます。
3.1 シミュレーション条件
- 現在30歳
- 22歳~60歳まで働く予定
- 65歳から年金受給を開始
3.2 シミュレーション結果
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出所:厚生労働省「公的年金シミュレーター」
年収200万円で38年間働いた場合、将来の年金額は116万円(老齢基礎年金を含む)となります。
実際には、生涯を通した平均年収が一定であることが少なく、変動するものでしょう。より詳細にシミュレーションしたい場合、ねんきんネットなどで確認できます。
また、他の年収ごとの年金早見表もまとめました。
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日本年金機構「令和4年度再評価率(一般)」を参考にLIMO編集部作成
実際に受け取る金額には、上記に国民年金(老齢基礎年金)が加算されます。
4. 厚生年金から考える老後計画
現役時代の報酬に比べると、年金収入は大幅に減ります。
さらに年金受給額は減少傾向にあるため、自助努力の必要性はますます高まるでしょう。
年金受給額を知るツールはいくつかあるため、まずは予定額を試算してみましょう。その上で、老後のマネープランを立ててみることが重要になります。
参考資料
- 厚生労働省年金局「令和2年度 厚生年金・国民年金事業の概況」
- 日本年金機構「ねんきんネット」
- 厚生労働省「公的年金シミュレーター」
- 日本年金機構「令和4年度再評価率(一般)」
太田 彩子
