生涯未婚率は年々増えてきており、「おひとりさまの老後」を視野に入れて、40~50歳代から準備している人も多いことでしょう。
おひとりさまの老後で一番心配なのは「介護が必要になったらどうするか」ではないでしょうか。
そこで、介護費用の平均額や介護施設に入居するための費用について解説します。
女性は「おひとりさまの老後」になる確率が高い
令和3年簡易生命表によると、男性の平均寿命は81.47 歳、女性の平均寿命は87.57歳となっています。
このデータをもとにすれば、女性は男性よりも6年長生きすることになるので、同年齢の夫婦であれば、夫亡き後、妻は6年間「おひとりさま」になります。
つまり、既婚者であっても、女性は「おひとりさま」になる確率が高いといえます。年の離れた夫婦であれば、なおさらその期間は長くなります。
おひとりさまの老後で心配になるのは、お金の問題と健康の問題でしょう。
年金だけで生活していけるのか、介護が必要になったら誰に面倒をみてもらうのか、今から考えておく必要があります。
介護の状況を調べた厚生労働省の調査によると、要介護者の年齢構成は、男性は「80~84 歳」、女性は「90 歳以上」が最も多くなっています。
さらに、「誰が介護をしているか」を表した調査では、要介護者と同居の配偶者(23.8%)が最も多くなっており、次に同居の子(20.7%)となっています。
同居の主な介護者の性別をみると、男性は35%、女性は65%と、女性が多くを占めています。
この結果から見えてくるのは、女性は夫や親を介護し、自分が要介護となった時にはひとりになっている可能性が高いため、子がいれば子に頼るか、介護施設に入居するなどの方法を取らざるを得ないということです。