1. 【厚生年金・国民年金】額面ではなく「手取り額」を把握しよう
さいしょに年金の支給額についておさらいしましょう。
仕事をしていた頃のお給料と同様に、老後の年金も「総支給額」と「手取り額」に違いが出ます。
ちなみに、ねんきん定期便などで確認できる年金額は手取り額ではありません。実際に振り込まれる年金額は、「天引きされるお金」差し引いたものです。
では、老後の年金から天引きされる税や社会保険にはどんなものがあるか、確認しておきましょう。
1.1 【年金から天引きされるお金 その1】個人住民税
1つ目は住民税です。住民税は前年の所得に応じて納付額が決まります。年金が年額18万円以上の方は天引きの対象となります。
退職した次の年などは、支払いに負担を感じるケースが想定されますね。
1.2 【年金から天引きされるお金 その2】所得税・復興特別所得税
2つ目は所得税・復興特別所得税です。年金収入が一定以上の場合には年金から天引きされます(※)。
復興特別所得税は「東日本大震災からの復興のための施策を実施するために必要な財源の確保に関する特別措置法(平成23年法律117号)」により、所得税が発生する場合にはあわせて徴収されます。
※遺族年金、障害年金を受け取る場合は非課税扱いです。
1.3 【年金から天引きされるお金 その3】介護保険料
3つ目は介護保険料です。介護保険料は40歳から支払いがスタートして、生涯続きます。
65歳以降は住民税と同様に、年間の年金支給額が18万円以上の方は、年金から天引きされます。
※介護保険料の支払い義務は、介護サービスを受ける状態になった後も続く点に注意が必要です。
1.4 【年金から天引きされるお金 その4】健康保険料
4つ目は健康保険料です。介護保険料と同じく、国民健康保険や後期高齢者医療制度の保険料も年金の天引きが原則です。
1.5 老後の年金からは「最大4つの税と社会保険」が天引きされる
ここまで見てきたように、老後の年金からは「個人住民税」「所得税・復興特別所得税」「介護保険料」「健康保険料」と、最大4つの税・社会保険が天引きされます。
年金は偶数月に2カ月分が合算して支給されますね。年金を受給している人に送られる年金通知書では、
- 「年金支払額」=天引き前の額面
- 「後期高齢者医療保険料、国民健康保険料(税)」
- 「所得税額および復興特別所得税額」
- 「個人住民税額」
- 「控除後振込額」=銀行などに実際振り込まれる額
として記載されます。