2. そもそも厚生年金と国民年金、どちらが受給できるのか

受給額を見る限り、厚生年金の方が手厚いことは一目瞭然です。では、将来はどちらの年金が受給できるのでしょうか。

基本的な年金の仕組みを確認していきましょう。

老後に受け取れる「老齢年金」は、図のように2階建ての構造をしています。

出所:日本年金機構「国民年金・厚生年金保険 被保険者のしおり」(令和4年4月)、厚生労働省「日本の公的年金は『2階建て』」をもとに、LIMO編集部作成

1階部分にあたるのが国民年金で、基礎年金とも呼ばれるベースとなる年金です。国民年金には、日本に住む20歳以上60歳未満のすべての人が加入します。

そして2階部分にあたるのが厚生年金です。国民年金の第2号被保険者にあたる「会社員や公務員」などが上乗せして加入するため、手厚いイメージとなるのです。

厚生年金に加入できる要件は2022年10月に改正され、パートなどの「短時間労働者」でも加入しやすくなりました。

2.1 「特定適用事業所」の要件

被保険者(短時間労働者を除く)の総数が常時100人を超える事業所

2.2 「短時間労働者」の適用要件

  • 週の所定労働時間が20時間以上であること
  • 雇用期間が2カ月を超えて見込まれること
  • 賃金の月額が88,000円以上であること
  • 学生でないこと

出所:日本年金機構「令和4年10月からの短時間労働者に対する健康保険・厚生年金保険の適用の拡大」

2024年にはさらなる改定が予定されています。