2. そもそも厚生年金と国民年金、どちらが受給できるのか
受給額を見る限り、厚生年金の方が手厚いことは一目瞭然です。では、将来はどちらの年金が受給できるのでしょうか。
基本的な年金の仕組みを確認していきましょう。
老後に受け取れる「老齢年金」は、図のように2階建ての構造をしています。
1階部分にあたるのが国民年金で、基礎年金とも呼ばれるベースとなる年金です。国民年金には、日本に住む20歳以上60歳未満のすべての人が加入します。
そして2階部分にあたるのが厚生年金です。国民年金の第2号被保険者にあたる「会社員や公務員」などが上乗せして加入するため、手厚いイメージとなるのです。
厚生年金に加入できる要件は2022年10月に改正され、パートなどの「短時間労働者」でも加入しやすくなりました。
2.1 「特定適用事業所」の要件
被保険者(短時間労働者を除く)の総数が常時100人を超える事業所
2.2 「短時間労働者」の適用要件
- 週の所定労働時間が20時間以上であること
- 雇用期間が2カ月を超えて見込まれること
- 賃金の月額が88,000円以上であること
- 学生でないこと
2024年にはさらなる改定が予定されています。
執筆者
株式会社ナビゲータープラットフォーム メディア編集本部
LIMO編集部記者/編集者/元公務員
京都教育大学卒業。くらしとお金の経済メディア「LIMO(リーモ)」のLIMO編集部で、厚生労働省管轄の公的年金制度や貯蓄、社会保障、退職金など、金融の情報を中心に執筆中。大学卒業後は教育関連企業での営業職を経て、2010年に地方自治体の公務員として入職。「国民健康保険」「後期高齢者医療制度」「福祉医療」等の業務に従事した。主に国民健康保険料の賦課、保険料徴収、高額療養費制度などの給付、国民年金や国民健康保険への資格切り替え、補助金申請等の業務を担う。特に退職に伴う年金や保険の切り替えでは、手続きがもれることで不利益を被ることがないよう丁寧な窓口対応を心がけた。その後、保険代理店にてマーケティング業務に従事。保険料比較サイトの立ち上げに参加した。乗合保険会社の商品ページだけでなく、保険の知識を普及するためのページ作成にも参加。小学校教諭一種免許、幼稚園教諭一種免許、特別支援学校一種免許取得。
はたらく世代のお金の診断・相談サービスを行うマネイロでは、「【計算例付】厚生年金保険料はどのように決まる?ケース別算出方法や受給額を解説」など、お金や年金制度にまつわる記事を発信中。京都府出身。(2024年3月18日更新)