共働きが主流となった現代。

1980年代は専業主婦世帯が一般的だったものの、90年代に逆転し、2021年は共働き世帯が1247万世帯、専業主婦世帯が566万世帯となっています。

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出所:厚生労働省「令和4年版厚生労働白書-社会保障を支える人材の確保-(本文)」(2022年9月16日公表)

出所:厚生労働省「令和4年版厚生労働白書-社会保障を支える人材の確保-(本文)」(2022年9月16日公表)

世帯の変化にあわせて暮らしや価値観も変化すればいいのですが、「家事育児は女性がするもの」という価値観は根強いもの。夫婦ともに正社員であっても、女性が家事育児の大半を担うという家庭もあります。

女性の社会進出が進んでいるとはいえ、出産・育児などライフイベントによるキャリア形成に悩む女性も多いでしょう。

2022年10月には産後パパ育休(出生時育児休業)が施行され、男性も育休をとりやすくなりましたが、特に妊娠・出産をする女性はずっと同じ仕事をしていればいいというわけにはいきません。

まだまだキャリアの悩みが尽きない女性の現状を見ていきましょう。

産後退職すると正規雇用は難しい場合も

共働きが主流な現代ですが、厚生労働省「2021(令和3)年 国民生活基礎調査の概況」によれば、子どもがいる世帯の母で正規の職員は29.6%、非正規の職員は37.3%となっています。

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出所:厚生労働省「2021(令和3)年 国民生活基礎調査の概況」

出所:厚生労働省「2021(令和3)年 国民生活基礎調査の概況」

非正規で働く女性のほうが7ポイント以上多く、パートで働く女性が主流でしょう。

育児中の女性がパートを選ぶ理由は多々ありますが、子どもが小さいうちは毎月のように熱を出しますし、行事や個人面談、役員、PTA、また習い事や塾の送迎など園や学校に時間を割く時間は意外と多いものです。

アレルギーや喘息などの持病があったり、また障がい児や医療ケア児を育てる方もおり、専業主婦やパートを選ぶ方もいるでしょう。

同資料より、末子の年齢別の母の仕事状況についても確認します。

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出所:厚生労働省「2021(令和3)年 国民生活基礎調査の概況」

出所:厚生労働省「2021(令和3)年 国民生活基礎調査の概況」

正規の職員は末子の年齢が0~3歳で比較的多いですが、非正規になると0~3歳は少ないことがわかります。このことから、正規職員の母は産前から仕事を続ける方が多いと予想できます。

年齢が上がるにつれ非正規は増えるものの、正規はゆるやかに減少しており、一旦退職すると正規雇用に就くのは難しいと言えるでしょう。

育児をとりまく環境はここ数年でも大きく変わっっているもの。今の40~50歳代の方が第1子を出産するときは、今ほど仕事と育児の両立や男性の家事育児への参加が当たり前とされていませんでした。

当時の風潮により一度退職したものの、本当は仕事を続けたかったと思う女性も多いのではないでしょうか。

共働き主流も男女間に賃金格差あり

共働きが主流となったものの、乳幼児期は時短勤務で働いたり、子どもが熱を出せば女性だけが休みをとるというご家庭も多いです。

時短勤務を選ぶことで育児と両立しやすくなるものの、産前のような仕事はできなかったり、特に子どもが小さい頃は育児との両立の厳しさを痛感する女性も多いでしょう。

それだけではなく、日本は世界の中でも男女間賃金格差が大きいという特徴があります。

財務省の資料によれば、日本の15~64歳女性の就業率は70.6%で、G7平均(カナダを除く)の63.4%を上回っています。

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出所:財務省「男女間賃金格差の国際比較と日本における要因分析」

出所:財務省「男女間賃金格差の国際比較と日本における要因分析」

女性のパートタイム比率をみてみると、2019年時点で36.2%。G7平均の33.6%を上回りますが、7割超のオランダや、ドイツ、イギリスよりは低い水準です。

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出所:財務省「男女間賃金格差の国際比較と日本における要因分析」

出所:財務省「男女間賃金格差の国際比較と日本における要因分析」

しかし、男性の1人あたり報酬に対する女性の1人あたり報酬の比率をみると、日本は2015年ですが59.0%となっており、G7平均(カナダを除く)の82.2%を大きく下回り、G7で最下位です。

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出所:財務省「男女間賃金格差の国際比較と日本における要因分析」

出所:財務省「男女間賃金格差の国際比較と日本における要因分析」

フルタイムの男女間所得格差をみても、日本はG7平均(カナダを除く)を下回っています。

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出所:財務省「男女間賃金格差の国際比較と日本における要因分析」

出所:財務省「男女間賃金格差の国際比較と日本における要因分析」

これには役職や職種、労働時間などさまざまな要因が考えられるでしょう。

しかし共働きが普通となり、女性の社会進出が進む今、これだけの男女間賃金格差を目にすると女性が働く厳しさを感じる方も多いでしょう。

男性も大変?理解しようとする姿勢を

社会や家庭環境の変化に悩むのは、実は女性だけではありません。

男性も社会や仕事に悩みを抱えていたり、また結婚相手としてや家庭で求められるすがたが急速に変化しており、変化についていけない方もいるでしょう。

特に「会社員の夫と専業主婦の母」のもと育てられた場合、年代によっては男性が台所に入るのも恥ずかしいと教えられた方もいます。小さな頃から当たり前として育った価値観を180度変えるわけですから、時代に合わせられない方も中にはいるでしょう。

時代が急速に変化する今、男女それぞれの生きづらさがあります。

すべて分かり合うのは困難ですが、変化に合わせて職場でも家庭でも、まずはお互いの立場を想像して理解しようとする姿勢が大切です。

それと同時に、時代の変化に伴った制度や賃金、仕事や職場環境の変化も今後より求められるでしょう。

参考資料

宮野 茉莉子