コロナウィルス感染症の影響で、年収が減ったという方に向けて、給付金などが支給されることがあります。その際、多くの場合は住民税非課税世帯が対象となります。
住民税非課税世帯とは、住民税がかからない人ですが、どのくらいの年収が目安となるのでしょうか。今回は、対象となる年収を確認しながら、あわせて自治体や国の給付金や優遇措置なども紹介します。
身近な税金である「住民税」とはどんなもの?
住民税とは、1月1日時点で住んでいる住所を管轄する自治体に対して、支払う税金(都道府県民税および市町村民税)です。
住民税は、教育、福祉、ゴミ処理、図書館をはじめとした施設運営など、生活に身近な行政サービスを賄うための財源になります。
住民税は、「所得割」と「均等割」の2つに分けることができます。所得割というのは、住民の所得に応じて課税される税金であり、税率は約10%になります。
均等割というのは、所得に関係なく一律の金額になり、だいたい5000〜6000円になります。なお、税率などは、お住まいの地域によって少し異なる場合があります。
住民税非課税世帯となるのはどんな場合があるのか
住民税非課税世帯というのは、住民税の所得割、均等割がどちらも非課税になる世帯をいいます。どんな世帯が、住民税非課税世帯になるのか確認してみましょう。以下の(1)~(3)までのいずれかを満たすと住民税非課税世帯になります。
住民税非課税世帯の要件(1):生活保護法による生活扶助を受けている方
生活保護法による生活扶助を受けているというのは、生活保護を受けている世帯が該当します。生活保護とは、生活に困っている人の不足の程度に応じ、必要な保護を行い、健康で文化的な最低限度の生活を保障しながら、自立を促す制度です。
住民税非課税世帯の要件(2):障害者、未成年者、ひとり親、寡婦の方
前年中の合計所得金額が135万円以下の方
(給与収入になおすと、年収204万4000円未満)
住民税非課税世帯の要件(3):前年の合計所得金額が市区町村で定める額以下である方
会社員、非正規社員、アルバイト・パートなど、さまざまな場合で、前年の合計所得金額が市区町村で定める額以下であれば、該当します。
《東京23区内の場合》
【同一生計配偶者又は扶養親族がいる場合】
35万円×(本人・同一生計配偶者・扶養親族の合計人数)+31万円以下
【同一生計配偶者及び扶養親族がいない場合】
45万円以下
《大阪市の場合》
【同一生計配偶者又は扶養親族がいる場合】
35万円 ×(本人 + 同一生計配偶者+扶養親族)の人数+21万円+10万円以下
【同一生計配偶者及び扶養親族がいない場合】
35万円+10万円以下(給与所得者の場合、年収100万円以下である方が該当します。)
東京23区・大阪市の住民税非課税世帯の合計所得金額・年収をまとめると次のとおりとなります。
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筆者作成
実際の合計所得金額・年収については、お住いの市区町村によって異なります。窓口やホームページなどで確認するようにしましょう。
住民税の「合計所得金額」の計算方法について
住民税非課税世帯かどうかを判断する際の「合計所得金額」を計算するときは、会社員などの給与所得であれば、「合計所得金額=年収-給与所得控除」で計算できます。給与所得控除は、給与収入に応じて次のように決まっています。
給与所得控除の計算方法
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出典:国税庁「No.1410 給与所得控除」
たとえば、年収100万円であれば、給与所得控除55万円をマイナスして、合計所得金額は45万円になります。
住民税非課税世帯への給付金など優遇措置
住民税非課税世帯は、所得が一定以下で生活が厳しいため、その生活を助けるための給付金をはじめとしたさまざまな優遇措置があります。次に、主なものを紹介します。
幼稚園、保育所、認定こども園などの無償化
幼稚園、保育所、認定こども園などを利用する3歳から5歳までの全ての子供たちの利用料が無償化されます。さらに、住民税非課税世帯は、0歳から2歳までの子供たちについても利用料が無償化されています。
高等教育の修学支援新制度
大学、短期大学、高等専門学校(4年・5年)、専門学校に通う学生が支援を受けられます。支援内容は、世帯収入に応じた3段階の基準で、給付型奨学金が支給されたり、授業料と入学金の減免を受けたりすることができます。
子育て世帯生活支援特別給付金
子育て世帯生活支援特別給付金は、児童扶養手当等を受給するひとり親世帯に、児童1人あたり一律で5万円を支給する給付金です。
国民年金保険料や国民健康保険料が減る
住民税非課税世帯がお住いの自治体に申請することで、負担分の保険料を軽減することができます。
高額療養費の自己負担額の軽減
高額療養費制度を利用すれば、医療費の自己負担額を一定額に抑えることができます。自己負担する医療費は、所得ごとに区分されています。
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出典:厚生労働省「高額療養費制度を利用される皆さまへ」
住民税非課税世帯であれば、この自己負担の額が大幅に少なくなっています。
紹介した以外にも、国や自治体より住民税非課税世帯に対して、さまざまな優遇措置があります。
まとめ
もし万が一、年収が下がることがあった場合でも、ひとりで悩まず自治体の相談窓口で、優遇措置などの手続き方法を確認しましょう。
参考資料
- 厚生労働省「生活保護制度」
- 東京都主税局 「個人住民税」
- 大阪市「個人市・府民税が課税されない方」
- 国税庁「No.1410 給与所得控除」
- 内閣府「幼児教育・保育の無償化概要」
- 文部科学省「高等教育の修学支援新制度」
- 厚生労働省「高額療養費制度を利用される皆さまへ」
舟本 美子
