「2025年問題」という言葉を聞いたことがある方もいるでしょう。

団塊世代という、第1次ベビーブームの世代の方たちがすべて後期高齢者になるという現象のことです。

“2025年”とはいえ、実際には2022年から始まりつつあるこの問題。2022年から後期高齢になる方が出始め、2025年には75歳以上の人口が全人口の約18%になると推測されているのです。

問題は山積ですが、とりわけ苦悩を強いられるのは団塊ジュニア世代と呼ばれる、団塊世代の親を持つ子どもたちではないでしょうか。

団塊ジュニアの抱える悩みを紐解いていきましょう。

団塊ジュニアが苦悩する「2025年問題」

社会的に見ても、高齢化で起こりうるさまざまな問題が浮き彫りになっています。

厚生労働省の「令和3年度 医療費の動向」によると、2021年度の一人当たり医療費は35万2000円である一方、75歳以上の医療費は93万9000円。

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出所:厚生労働省の「令和3年度 医療費の動向」

出所:厚生労働省の「令和3年度 医療費の動向」

こうした医療費は現役世代からの拠出金や税金でも支える構造のため、現役世代の負担は高まります。

一方、個人単位で見ても厳しい局面があります。団塊ジュニアと呼ばれる方たちは、親が後期高齢者にさしかかるにつれ、苦しい選択を迫られることもあります。

親の介護で離職する人も

現代では70歳代であっても元気なシニアが増え、まだまだ働き続ける方も多いです。

一方で、厚生労働省「健康寿命の令和元年値について」によると、男性の健康寿命は72.68歳、女性の健康寿命は75.38です。

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出所:厚生労働省「健康寿命の令和元年値について」 

出所:厚生労働省「健康寿命の令和元年値について」 

平均寿命と健康寿命のギャップが広まるほど、介護問題も生まれます。

親の介護に直面することで、働き盛りの方でも離職を余儀なくされることも。厚生労働省「令和3年雇用動向調査結果の概要」によると、介護・看護を理由とする離職率は男性の 55~59 歳と 60~64 歳、女性の45~49 歳と 55~59 歳で多くなっています。

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出所:厚生労働省「令和3年雇用動向調査結果の概要」

出所:厚生労働省「令和3年雇用動向調査結果の概要」

依然として7万人ほどは介護を理由に離職しているのです。

団塊ジュニア世代の中には、就職氷河期世代も含まれます。非正規雇用として働いている世代が多く、さらに親の介護を理由に仕事が制限されるとなると、今後の暮らしに不安を抱えてしまうこともあります。

親の介護をする上で知っておくべき公的制度

親の介護が現実的になったときに備え、公的な制度は知っておく必要があります。いろいろな支援がありますが、ここでは公的な介護保険と介護を理由とする休業・休暇を押さえましょう。

公的介護保険の仕組み

公的介護保険とは、健康保険のようにみんな(40歳以上)が毎月保険料を出し合い、介護が必要になったときに1割~3割の自己負担で介護サービスが受けられる公的制度のことです。

実際に介護サービスを受けるには、まず介護認定を受ける必要があります。介護の度合いに応じて「要支援1~要支援2」、「要介護1~要介護5」の段階に分けられます。

介護サービスの利用料は所得によって1~3割ですが、介護度によって1ヵ月あたりの支給限度額が決まっています。もし限度額を超えてサービスを利用する場合、全額自己負担となるので注意しましょう。

ただし、利用できる介護サービスはケアマネージャーが作成するケアプランに基づいて決定されるため、限度額を超える心配はあまりありません。

介護休暇と介護休業

介護を理由に仕事を休まないといけない場合、介護休業や介護休暇を取得することができます。

介護休業とは、2週間以上の期間にわたり常時介護を必要とする状態にある対象家族を介護するとき、対象家族1人につき3回まで、通算93日まで休業できる制度です。

また介護休暇とは、2週間以上の期間にわたり常時介護を必要とする状態にある対象家族の介護や世話をするため、対象家族1人につき年5日取得できる休暇です。

介護は長期に渡るため、実際には休暇だけでまかなえないことも珍しくありません。しかし、こうした休業を利用することで介護体制を整えることは可能です。例えば入居できる施設探しや手続きを完了させることもできます。

制度については必ず知っておきましょう。

介護にはお金がかかるが公的支援を忘れずに

団塊世代の場合、自分の介護費用をまかなえるだけの貯蓄がある方が多いです。

しかし、実際のお財布事情は個々で異なるため、お金のことは早くに話し合っておいた方がいいでしょう。

同時に、自分自身の介護費用や老後資金の準備も必要となります。お金がかかることに不安を抱えてしまうものですが、まずは公的な支援をしっかり知ることが大切です。

参考資料

太田 彩子