1. 繰下げ受給の仕組みと増額率について

まずは繰下げ受給の仕組みと増額率から確認します。

公的年金には国民年金と厚生年金があり、どちらも原則65歳からの受給となります。

65歳から年金を受け取る場合の金額を100%とすると、受給開始を1カ月遅らせるごとに金額が0.7%ずつ増えます。

1年遅らせて受給したら8.4%の増加。5年だと42%増加。最長75歳まで繰り下げられ、10年間での増額率で考えると最大84%の増額となります。

出所:日本年金機構「年金の繰下げ受給」をもとにLIMO編集部作成

 

仮に年金額が10万円だとすると、増加額のイメージは以下のようになります。

1.1 繰り下げ期間(年齢)と受給月額

  • なし(65歳):10万円
  • 1年(66歳):10万8400円
  • 5年(70歳):14万2000円
  • 10年(75歳):18万4000円

10年遅らせると倍近い年金額を受け取ることができますね。

低金利が続く中、日本銀行金融機構局によると銀行の普通預金の金利は今や0.001%です。

繰下げ受給は1カ月受け取りを後にずらすだけでも、0.7%の増加した年金額が一生涯続くため、増加率で見るとお得な制度といえそうですね。

メリットに目が行きがちですが、デメリットについても確認していきましょう。