2. 【65歳以上・無職世帯】貯蓄事情を確認

次に、65歳以上の貯蓄について、総務省統計局「家計調査報告(貯蓄・負債編)-2021年(令和3年)平均結果-(二人以上の世帯)」を参考に確認していきます。

2.1 【65歳以上無職世帯】貯蓄額

平均貯蓄現在高 2342万円

【内訳】

金融機関 2338万円

  • 通貨性預貯金 623万円
  • 定期性預貯金 924万円
  • 生命保険など 403万円
  • 有価証券 388万円

金融機関外 4万円

平均貯蓄現在高は2342万円となっています。かつて話題となった「老後2000万円問題」で注目された「2000万円(※)」のラインはクリアしていますね。

とはいえ、こちらは平均値。一部の富裕層や、退職金の受け取り・親族からの贈与や相続があった世帯なども含まれている点には注意が必要でしょう。

金融商品の内訳をみると、約66.1%を「預貯金」が占める一方、有価証券(株式や投資信託など)は16.6%です。

2.2 「老後2000万円問題」の落とし穴

先ほど触れた「老後2000万円問題」。

ひらたくいうと、「夫婦の老後生活には年金以外2000万円が必要」という内容で世間の注目を集めたものです。

この「2000万円」という数字の根拠についても触れておきましょう。

出所:金融審議会「市場ワーキング・グループ」(第21回)厚生労働省提出資料「iDeCoを始めとした私的年金の現状と課題」をもとにLIMO編集部作成

この試算中の「2000万円」に含まれるのは、あくまでも日常生活費。介護費用や家のリフォーム費用など、多くの世帯で必要となる「シニア特有の出費」は含まれていない点に注意が必要です。