家をお得に建てられると、住宅会社などがアピールする住宅ローン控除。持ち家を考えている方にとって気になる制度だと思います。しかし具体的にいくら得なのか、知る機会は少ないのではないでしょうか。

そこで今回は、年収400万円・500万円・600万円ではいくらお得になるのか、借入額ごとの控除額を一覧でお伝えします。

住宅ローン控除とは

住宅ローン控除は、住宅取得を促すために国が設けた税制です。2025年末までに住宅ローンを使って家を購入すると、年末時点のローン残高の0.7%が所得税と住民税から13年間控除されます。

ただし、納めている税額以上は控除されない点には注意しておきましょう。例えば5000万円のローン残高なら、0.7%をかけた35万円が控除の上限額になります。しかし納めている所得税と住民税の合計が25万円なら、それが最大の控除額になります。

年収別の住宅ローン控除額

では年収400万円、500万円、600万円の毎年の控除額と13年間の合計額を、住宅ローンの借入額別に見てみましょう。

借入条件は以下の内容で計算しています。

  • 金利:1%
  • 返済期間:35年返済
  • 住宅の環境性能:長期優良住宅
  • 入居時期:2023年1月
  • 配偶者:あり
  • 配偶者以外の控除対象扶養親族:1人

住宅ローン借入2000万円の場合【年収別一覧表】

住宅ローン借入3000万円の場合【年収別一覧表】

2/6

筆者作成

 

住宅ローン借入4000万円の場合【年収別一覧表】

3/6

筆者作成

住宅ローン借入5000万円の場合【年収別一覧表】

4/6

筆者作成

※実際に借入可能なローンの額は金融機関の審査によって決まります。本シミュレーションはその年収で借り入れできる額を保証するものではありません。

住宅ローン控除の主な適用条件

住宅ローン控除を受けるには、主に以下のような条件を満たす必要があります。

また他にも条件があるため、実際に控除申請をする際は税務署などへ確認するようにしてください。

  • 自らが居住するための住宅
  • 合計所得金額が2000万円以下
  • 床面積が50㎡以上(2023年末までに建築確認を受けた新築住宅は、合計所得金額1000万円以下を条件として床面積要件を40㎡以上に緩和)
  • 住宅ローン借入期間が10年以上
  • 引き渡しまたは工事完了から6ヵ月以内に入居
  • 既存住宅は1982年以降に建築されたか、または現行の耐震基準に適合

環境性能による借入限度額の違い

2022年度から控除対象の借入限度額が、住宅の環境性能等、いわゆる省エネ性能によって4つに区分されました。性能が高いほど優遇され、上位3つの区分に適合しない住宅は2024年以降控除が受けられなくなります。※

これは国が進める温暖化ガス排出削減に向けた取り組みの一環で、消費エネルギーが少ない住宅を広める狙いがあります。現状は住宅会社による省エネ化の取組みの差が大きく、省エネ性能の高い住宅を普及させるために今回の区分けができたと言えるでしょう。

※2023年までに新築の建築確認を受けた場合は、借入上限額2000万円、控除期間10年間の控除が適用

控除対象の借入限度額区分

5/6

筆者作成

住宅ローン控除額だけでなく家の省エネ性能にも注目

前半の控除額の例では、4000万円、5000万円の借入のケースもお伝えしました。

しかし省エネ性能の低い「その他の住宅」を選ぶと、上限額が3000万円になり満額の控除が受けられません。より多く控除を受けるなら、省エネ性能にも注目して住宅選びをすることをおすすめします。

もちろん省エネ性能の高い住宅はそれなりの金額になります。しかし省エネ性能を一段階上げるだけで、年間の光熱費が約6万円抑えられるという試算もあります。

6/6

出所:国土交通省「ご注文は省エネ住宅ですか?」

控除も大切ですが、光熱費も含めたトータルの家計の収支も比べて住宅を選ぶと、本当の「お得」につながるのではないでしょうか。

参考資料