2022年10月は文字通り値上げラッシュともいえる月です。身近なものではビールやコーヒー、たばこといった嗜好品や、調味料、ハム、乳製品などが値上げとなっています。

これらの値上げは確実に私たちの生活に影響を及ぼしていますが、ほかにも火災保険や雇用保険が値上げされることをご存じでしょうか?

今回は、10月に対象となっている火災保険や雇用保険の値上げの内容について解説します。

火災保険料の値上げ

火災保険については、2022年10月1日以降に適用される契約について、値上げが適用されます。大手損害保険会社もこの点に関しては足並みを揃えています。

火災保険料はなぜ値上げされる?

火災保険が値上げされる最大の理由は、近年増加している自然災害です。

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自然災害の発生の増加により、保険会社も保険金支払額の増加を余儀なくされており、保険金支払額に見合った保険料への改定が必要になったという背景があります。

確かに、ここ数年は毎年のように水害が発生しており、各地で多くの被害が報告されています。

また、災害によって被害を受ける住宅が多くなった点も理由の一つです。

築年数が古い住宅は、老朽化により災害に対する損壊リスクが高くなります。

このような築年数が古い住宅が増加しており、今後も増加する見込みがあることが、今回の値上げの理由といわれています

火災保険料の値上げ率はどのくらい?

今回の改定による値上げ率は、全国平均で10.9%です。ただし、全国で値上げが起こっているわけではなく、地区によっては値下げの対象になっているところもあります。

火災保険料の料率を決める要素の一つに建物の構造がありますが、コンクリート造などのM構造、鉄骨造などのT構造、そして木造などのH構造の順に保険料率が高くなります。

木造などのH構造は、災害の際の損壊リスクが高いため保険料も高くなるわけです。

そして、構造別に今回の最大および最小改定率を見てみると、以下のようになっています。

火災保険料の改定率(築5年未満)

M構造

  • 最大改定率:宮崎県(+30.5%)
  • 最小改定率:山形県(-4.7%)

T構造

  • 最大改定率:山梨県(+21.9%)
  • 最小改定率:山口県(-11.6%)

H構造

  • 最大改定率:大阪府(+24.6%)
  • 最小改定率:山口県(-13.8%)

火災保険料の改定率(築10年以上)

M構造

  • 最大改定率:宮崎県(+33.0%)
  • 最小改定率:山形県(+1.1%)

T構造

  • 最大改定率:山梨県(+33.4%)
  • 最小改定率:山口県(-7.1%)

H構造

  • 最大改定率:沖縄県(+36.6%)
  • 最小改定率:山口県(-10.6%)

ちなみに3大都市圏の改定率は以下のようになっています。

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出所:筆者作成

出所:筆者作成

築年数にかかわらず、大阪府は総じて値上り率が高く、逆に東京都や愛知県では築浅であれば、建物の構造によっては値下げになります。

【火災保険】最長契約期間が短くなる点にも注意!

今回の改定では、値上りばかりではなく、最長契約期間が10年から5年に短くなる点にも注意が必要です。契約期間が短くなることで保険料が高くなりますし、今後の改定などが反映されやすくなります。

雇用保険料率の改定

2022年10月からは雇用保険料率も改定されます。

実は2022年度の雇用保険料率については、事業主負担分が4月から改定(値上り)されていました。

しかし、10月からは再度事業主負担分が改定(値上り)となることに合わせ、労働者負担分も改定となり、値上りすることになります。改定の内容については以下のとおりです。

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出所:筆者作成

出所:筆者作成

雇用保険料の計算は、毎月の総支給額に保険料率を乗じて行います。

つまり、月の総支給額が50万円の人で一般の事業に該当する場合、これまでは1500円だったものが2500円に値上りすることになります。

建設業などの場合は、これまで2000円だったものが3000円に値上がりします。

月の総支給額に変更がなければ、今月差し引かれる社会保険料(雇用保険料)が少し多くなることになります。実際自分の手取りにどのくらいの影響が出ているか、給与支払日の明細を確認してみましょう。

ただ、雇用保険料率については事業主側の負担が大きく、10月からは一般の事業だと0.85%、農林水産・清酒製造業だと0.95%、建設業だと1.05%になっています。労働者負担分と合わせると1.35%~16.5%の料率になっており、昨年度と比べると0.4%の値上げです。

その分、子育て支援や介護支援といった手当の充実が行われていることを考えると、致し方ないことかもしれません。

火災保険や雇用保険料だけじゃない?今後もさらなる値上げが続きそう

2022年11月からは牛乳やヨーグルトの値上げが決定しているほか、12月出荷分からは印刷・情報用紙の再値上げが決定しています。

また、原料価格の高騰により、電気料金などの値上げも気になるところです。

どれも私たちの生活に影響するものですので、今後も物価の値上りが予想されることを踏まえながら、節約できるポイントを見つけて少しずつ実行していく必要がありそうです。

参考資料

新井 智美