パートの社会保険適用拡大。メリット・デメリットは?
10月より、パートの方でも「被保険者(短時間労働者を除く)の総数が常時100人を超える事業所」に勤め、一定要件を満たせば社会保険へ加入できるようになりました。
社会保険のメリットは主に3つ。厚生年金に加入することで、将来の年金受給額が国民年金よりも増えます。厚生年金は収入に応じた保険料を払うため、収入が上がるほど将来の受給額も増えるでしょう。
障害年金や遺族年金もより手厚くなるため、万が一に向けてより備えることもできます。
また、健康保険への加入により、条件に当てはまれば一定期間給与の3分の2相当が受け取れる「傷病手当金」や「出産手当金」も対象となります。
一方で、デメリットとしていわれることの一つに、社会保険料がかかるため手取りが減る場合があります。
たとえば年収120万円で月収10万円の場合、厚生年金保険料で月9000円、健康保険料で月5700円が引かれ、手取りが8万5300円になります(※東京都の協会けんぽの保険料(40歳以上)を参考に試算)。
また、働き方の変化により、夫が所属する企業から出る家族手当に影響が出る場合もあるでしょう。
内閣府男女共同参画書「令和4年版男女共同参画白書」によれば、民間で家族手当制度がある事業所は2005年には83.1%でしたが、2021年には74.1%に下がっています。しかし現状でも、7割以上の会社で家族手当制度が用意されています。
家族手当制度について、配偶者の収入による制限があると答えた中でも、収入制限を「103万円」とする会社が45.4%、「130万円」が36.9%、「150万円」が7.0%等となっています。
長い目で見ればメリットがある社会保険ですが、今だけで見るとデメリットもあり、「扶養内で働きたい、働いてほしい」という夫婦もいるでしょう。