2021年の9月に公開された記事をプレイバック!もう一度読み直したい、「編集部セレクション」をお届けします。(初公開日:2021年9月20日) |
2019年に話題となった「老後2000万円問題」。言葉だけは記憶に残っている、という方は多いかもしれません。ひらたくいうと、「高齢無職夫婦が老後を30年生きる場合、公的年金以外に2000万円が必要」という内容です。
では、実際のところ現在のシニア世代の貯金額は2000万円超えているのか、気になるところではないでしょうか。
私は以前、生命保険会社に勤務し、数多くのお客さまから老後のお金の相談を受けてきました。その経験もふまえ今回は、65歳以上の無職世帯にフォーカスして「夫婦の貯蓄事情」の実態を眺めていきたいと思います。
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1. 65歳以上「リタイヤ夫婦」の貯蓄事情
では早速、総務省統計局の「家計調査報告(貯蓄・負債編)―2020年(令和2年)平均結果-(二人以上の世帯)」から、65歳以上の無職世帯の貯蓄額を見ていきましょう。
世帯主が65歳以上の無職世帯
貯蓄現在高:2292万円(前年比3.3%増)
〔内訳〕
- 通貨性預貯金:618万円(27.0%)
- 定期性預貯金:920万円(40.1%)
- 生命保険など:397万円(17.3%)
- 有価証券:348万円(15.2%)
- 金融機関外:9万円(0.4%)
このように、現在の65歳以上世帯は預貯金など安定性の高い資産を中心に保有しており、「老後2000万円問題」の水準はクリアできていることが分かります。