2022年9月9日に公表された国立社会保障・人口問題研究所「第16回出生動向基本調査(結婚と出産に関する全国調査)」によれば、18~34歳未婚女性で「結婚したら子どもを持つべき」と答えたのは36.6%でした。

つまり、未婚女性の3人に2人は「結婚しても子どもを持たなくていい」と考えていることになるでしょう。

「結婚=子どもを持つ」という概念は現代女性の中で崩れ去る一方で、男性は55.0%が「子どもを持つべき」と答えており、男女で結婚と子どもを持つことの価値観に乖離があることもわかります。

なぜ女性の中では結婚と子どもを持つことが結びつかなくなったのでしょうか。

「結婚したら子どもを持つべき」女性は前回調査より30ポイント減

同調査によると、「結婚したら子どもを持つべき」と答えた女性は2015年の前回調査では67.4%でしたが、今回の調査で36.6%と30ポイント以上減少しているのがわかります。

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出所:国立社会保障・人口問題研究所「第16回出生動向基本調査(結婚と出産に関する全国調査)」

出所:国立社会保障・人口問題研究所「第16回出生動向基本調査(結婚と出産に関する全国調査)」

また、同調査によると未婚者の平均希望子ども人数は男性で1.82人、女性で1.79人でした。

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出所:国立社会保障・人口問題研究所「第16回出生動向基本調査(結婚と出産に関する全国調査)」

出所:国立社会保障・人口問題研究所「第16回出生動向基本調査(結婚と出産に関する全国調査)」

女性は初の2人を割り込んだだけでなく、男性よりも希望する子どもの人数が少なくなっています。

このことからも、女性のほうが子どもを持つことを当たり前と考えていないことがわかります。考えられる理由は何でしょうか。

結婚しても子どもを持たなくていい理由1.結婚して子どもをもつことは「自然ではない」へ

同調査で子どもを持つことを希望する未婚者に、子どもを持ちたい理由をたずねたところ、「子どもがいると生活が楽しく心が豊かになるから」が男女ともに最多で約7割でした。

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出所:国立社会保障・人口問題研究所「第16回出生動向基本調査(結婚と出産に関する全国調査)」

出所:国立社会保障・人口問題研究所「第16回出生動向基本調査(結婚と出産に関する全国調査)」

男性は次に「結婚して子どもを持つことは自然なことだから」が48.1%、「好きな人の子どもを持ちたいから」が40.8%と続きます。

一方の女性は、次に「好きな人の子どもを持ちたいから」が47.2%、「結婚して子どもを持つことは自然なことだから」が23.8%。

前回調査より「結婚して子どもを持つことは自然なことだから」は男女ともに約15ポイント減少しており、特に女性は自然と考えていない方が7割強です。

昔から「結婚したら子どもを持つ」という考えが根付いており、「みんなそうだから」「親や親戚に言われたから」と深く考えなかった方もいるでしょう。

しかし最近ではDINKsや事実婚、同性婚、そもそも結婚しない方も増え、家族のかたちが多様化しています。

そもそも、自然に子どもができるとも限りません。

これまで当たり前とされてきた価値観について、改めて考える機会が増えたのも理由の一つでしょう。

結婚しても子どもを持たなくていい理由2.共働きが主流も両立に約8割が不安

『Job総研』を運営する株式会社ライボが、20〜50代の社会人158人の女性を対象に「2022年 女性のワークライフ実態調査」を行ったところ、71.5%が「共働き」を希望しています(2022年9月26日公表)。

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出所:株式会社ライボ調べ

出所:株式会社ライボ調べ

出産後も働きたいと答えた方は76.7%。

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出所:株式会社ライボ調べ

出所:株式会社ライボ調べ

厚生労働省が2022年9月16日に公表した「令和4年版厚生労働白書-社会保障を支える人材の確保-(本文)」によれば、2021年は共働き世帯が1247万世帯、専業主婦世帯が566万世帯。

現代は共働きが主流です。

一方で、子育てと仕事の両立について不安を聞くと、78.5%が「ある」と答えています。

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出所:株式会社ライボ調べ

出所:株式会社ライボ調べ

7割が共働きを希望する一方で、約8割の女性が両立に不安を抱えています。つまり、家族構成として共働き世帯は当たり前になったものの、女性が仕事と育児を両立するにはまだ不安が多く、女性側は共働きを当たり前と言い切れていないのがわかります。

実際に共働き世帯の割合をみると、女性はフルタイムよりパートが多くなっています。「両立は大変だし、フルタイムで働くには今の環境ではまだ厳しい」という声が聞こえてきそうですね。

一口に「不安」といっても、産後体調を崩さないか、産後うつや産後クライシスにならないか、うまく子育てできるのか、育児と仕事が両立できるか、職場に迷惑をかけないか…など悩みはさまざま。これらは不安とともに、具体的に社会として解決すべき問題もあるでしょう。

両立に不安を感じる現状では、育児に前向きになれない女性もいるのでしょう。

まとめにかえて

男性より女性の方が、結婚したら子どもをもつとは思わない現代。価値観が多様化し、以前より自分らしい生き方を選択しやすい時代になりつつあるでしょう。

今回の結果が価値観の多様化であればよいですが、男女の差をみると、現状では子どもをもつことに後ろ向きになってしまう意見もあると考えられるでしょう。

参考資料

宮野 茉莉子