給与明細で控除される社会保険には他にどんなものがあるのか

9月分の給与明細では、健康保険、介護保険(40歳以上の方のみ対象)、厚生年金保険の控除額が変更になります。

社会保険には、それら以外に「雇用保険」もあります。雇用保険は、労働者の生活及び雇用の安定と就職の促進を図るための制度です。

雇用保険には、会社員が失業したときに受取る失業等給付や、指定の教育を受けたときの教育訓練給付金、育児や介護で仕事を休業するときの育児休業給付や介護休業給付など、様々な給付金があります。

雇用保険料は、事業主と労働者それぞれが負担することになります。負担する金額は、事業主と労働者がともに負担しますが、負担料率は事業主の方が高く設定されています。

雇用保険料の見直しは、毎年4月から行われますが、雇用調整助成金の大規模支出などにより、令和4年(2022年)10月からの雇用保険料率が変更されることになりました。どのくらい変更になるのかみてみましょう。

出典:厚生労働省「令和4年度雇用保険料率のご案内」

《「一般の事業」の雇用保険料率を計算》

毎月の給与が25万円だった場合

  • 令和4年4月1日~令和4年9月30日
  • 労働者負担:1000分の3 25万円×0.003=750円
  • 事業主負担:1000分の6.5 25万円×0.0065=1625円

 

  • 令和4年10月1日~令和5年3月31日
  • 労働者負担:1000分の5 25万円×0.005=1250円
  • 事業主負担:1000分の8.5 25万円×0.0085=2125円

これより、令和4年(2022年)10月分の給与明細からは、雇用保険が1250円となります。

まとめ

普段は給与の手取り額しか見ていないという人も、9月分の給与明細はきちんと確認しましょう。

給与明細には、様々な社会保障についての情報が詰まっています。きちんと理解しておけば、これからのキャリア、老後の年金など、これからの人生を計画的に考えるときに役立ちます。

参考資料

舟本 美子