貯蓄=預貯金、有価証券、積立型の保険

総務省は2017年5月16日、2016年の「家計調査報告(貯蓄・負債編)」を発表しました。これによると、2人以上の世帯における2016年平均の1世帯当たり貯蓄現在高(平均値)は1,820万円で、前年に比べ15万円、0.8%の増加で、4年連続の増加となりました。

家計調査は、「国民生活における家計収支の実態を明らかにする」ことを目的として、1946年7月以来、毎月実施されています。

「世の中の世帯の貯蓄の平均値は1,820万円」と聞くと、「みんなそんなに貯めているのか、私はそんなに持ってない」と嘆く人もいるかもしれません。そこで、改めてこの数値の意味を見てみましょう。

まず、大きな特徴は、調査の範囲は全国の2人以上の世帯であることです。全国の市町村から168市町村を選定し、2人以上の世帯8,076世帯を無作為に抽出して調査しているそうです。つまり、1人暮らしの世帯は含まれていません。

次に、この調査における「貯蓄」の定義です。預貯金(普通預金・定期預金など)のほか、有価証券(株式、債券、投資信託など)、さらに積立型の生命保険や個人年金なども含みます(公的年金や企業年金は含みません)。

また、社内預金、勤め先の共済組合など、金融機関以外への預貯金も含めますが、たんす預金は含まれません。

平均値とボリュームゾーンは大きく異なる

このように、貯蓄と一口で言っても、株式や投資信託、積立型の生命保険や個人年金など、幅広い資産が含まれます(不動産や貴金属などは含みません)。

「それでもそんなに貯めてない」という人もいるでしょう。なぜ、データとしての実感がわかないのでしょうか。