9月19日は敬老の日でした。

祖父母などの年長者を敬い、長寿を祝う日とされる敬老の日には、家族で集まる方も多いですよね。

一昔前は、敬老の日にお祝いされるシニアとは「定年退職して悠々自適に生活する人」というイメージが強いものでした。

今では働くシニアも急激に増え、定年退職後も働き続ける方は多いです。

高齢者雇用は浸透しつつありますが、気になるのがその給与事情。十分に生活が維持できる金額なのか、それとも貯蓄を切り崩しながら生活しないといけない金額なのか、実際のところはあまり知られていません。

そこで今回は、日本労働組合総連合会(連合)の「高齢者雇用に関する調査2020」の結果から、具体的な勤務時間やお金事情についてご紹介します。

60歳代「はたらくシニア」の平均給与は約19万円

日本労働組合総連合会(連合)が60歳以上の人(400名)を対象に行った調査によると、1ヵ月の賃金(税込)は「5万円~10万円未満」(20.0%)、「15万円~20万円未満」(19.3%)、「20万円~25万円未満」(20.5%)などに回答が分かれ、平均は18.9万円でした。

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出典:日本労働組合総連合会「高齢者雇用に関する調査2020」

出典:日本労働組合総連合会「高齢者雇用に関する調査2020」

正規雇用かどうかによっても、給与額は大きく変わると予想されます。それぞれ見ていきましょう。

「60歳以上」正規雇用者の給与は33.1万円

雇用形態別に60歳以上の給与平均をみると、正規雇用者は33万1000円、正規雇用者以外は13万円でした。

また1日あたりの労働時間を聞いたところ、「8時間」(42.0%)と回答した人が最も多く、平均は6.8時間です。

雇用形態別に労働時間の平均をみると、正規雇用者は8.0時間、正規以外の雇用形態で働く者は6.3時間でした。

最近では定年を65歳まで延長する企業も増えているため、60歳以降も正社員として勤務できる方は、ある程度の給与水準が見込めるでしょう。

60歳以上の半分超が給与に不満を抱えている

では、60歳以上は現状の仕事に対してどのような印象を抱えているのでしょうか。

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出典:日本労働組合総連合会「高齢者雇用に関する調査2020」

出典:日本労働組合総連合会「高齢者雇用に関する調査2020」

  • 働き方に満足する人:70.3%
  • 労働時間に満足する人:73.8%
  • 労働日数に満足する人:73.3%
  • 仕事内容に満足する人:71.5%
  • 賃金に満足する人:44.0%

概ね満足している項目が多いですが、賃金では44.0%と半数以下です。多くの方が賃金には納得できていないようですね。

仮に正社員として雇用が続いても、「役職定年」などにより給与は下がることが一般的です。

非正規雇用に限らず、正規雇用でも一定の不満を抱えているケースは多いようです。

60歳代以降も働く理由

60歳を過ぎても働き続ける方は、どのような理由から働くのでしょうか。

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出典:日本労働組合総連合会「高齢者雇用に関する調査2020」

出典:日本労働組合総連合会「高齢者雇用に関する調査2020」

同調査において60歳以降も働きたいと思う理由を聞いたところ、以下の結果となりました。

  • 生活の糧を得るため:77.0%
  • 健康を維持するため:46.2%
  • 生活の質を高めるため:33.9%
  • 働くことに生きがいを感じているため:28.8%
  • 仕事を辞めてもやることがないから:24.9%

経済面の理由が圧倒的に多く、その後は健康面や生きがい等が理由となっています。「生きがい」と答える方は、思いの外少ないようですね。

同調査において、全回答者(1000名)に「今後、何歳まで働きたいと思うか」と聞いたところ、平均は67.4歳となりました。

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出典:日本労働組合総連合会「高齢者雇用に関する調査2020」

出典:日本労働組合総連合会「高齢者雇用に関する調査2020」

回答者の年齢別にみると、働きたいと思う年齢の平均は下記のとおりです。

  • 45歳~49歳の人:66.3歳
  • 50歳~54歳の人:66.2歳
  • 55歳~59歳の人:65.7歳
  • 60歳~64歳の人:67.8歳

いずれの年齢でも60歳代後半まで働きたいと考えているようです。

60歳代では年金が受給できますが、それほど期待できない方も多いようです。最後に今の高齢者が受給する「厚生年金と国民年金」の受給額も見ていきましょう。

60歳代以上が受給する「厚生年金と国民年金」の平均月額

厚生労働省の「令和2年度厚生年金・国民年金事業の概況」を参考に、60歳代が受給する公的年金の月額も見ていきましょう。

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出典:厚生労働省「令和2年度厚生年金・国民年金事業の概況

出典:厚生労働省「令和2年度厚生年金・国民年金事業の概況

国民年金の平均年金月額

  • 60歳:3万9019円
  • 61歳:4万594円
  • 62歳:4万1689円
  • 63歳:4万2881円
  • 64歳:4万3513円
  • 65歳:5万7919円
  • 66歳:5万7737円
  • 67歳:5万7569円
  • 68歳:5万7272円
  • 69歳:5万7169円

厚生年金(第1号)の年金平均月額(国民年金を含む)

  • 60歳:9万838円
  • 61歳:5万9575円
  • 62歳:6万0436円
  • 63歳:7万8770円
  • 64歳:8万636円
  • 65歳:14万5337円
  • 66歳:14万5703円
  • 67歳:14万3386円
  • 68歳:14万1979円
  • 69歳:14万36円

60歳代の年金は以上のようになっています。65歳未満は繰上げ受給の選択者や老齢厚生年金の受給者のため、かなり金額は少なくなっています。

また手厚いイメージのある厚生年金であっても、ひと月の平均受給額は65歳以降で14万円台となっています。あくまで参考ですが、ご自身の60代をイメージするうえでの材料になるでしょう。

60歳代の雇用実情のまとめ

高齢者の雇用の実態について見ていきました。

「定年後も働くのが当たり前」となりつつある現代ですが、その給与事情は実にさまざまです。

定年後も何らかの仕事を続けることができれば、生活はある程度安定させられるでしょう。65歳以降の年金額と合わせ、計画的に収入額をコントロールしたいものです。

一方で、高齢になればなるほど健康面のリスクがつきまといます。いつ自分が働けなくなるかは誰にもわからないものです。

こうしたリスクに備えるためには、貯蓄や保険などで最低限の備えをすることも重要でしょう。

いずれにしても、年金受給額の目安は把握する必要があります。平均だけでなく、ねんきんネットなどを活用してご自身の見込額も知っておきましょう。

さらに定年後の働き方の選択肢を増やすためにも、資格取得などのスキルアップをしておきたいですね。

参考資料

太田 彩子