5. 老後資金は自分でつくる努力を
ここまで見てきたとおり、年金の受給額は個人差が大きいものです。特に厚生年金は年収の影響がとても高く、現役時代の給与格差がそのまま年金格差につながりやすくなっています。
厚生年金の月平均は約14万円ですが、この数字に振り回されることなく「将来のお金」について考えてみましょう。
目安受給額を知るには、日本年金ネットが運営する「ねんきんネット」がおすすめです。早めに受給額をつかむことで、老後の準備を長くとりましょう。
公的年金に頼らず自分で老後資金を準備するためには預貯金だけでは困難です。
昨今の物価上昇のようなインフレリスクに対応できる資産を持つこと、すなわち資産運用が大切になります。
投資は元本保証ではないので、リスクがともないます。
おさえておくべきポイントは「長期・分散・積立て」です。投資する期間が長ければ長いほど時間が味方してくれ、リスクを軽減させることが可能になります。
収支のバランスをみながら、少しずつ運用を始めてみてもいいかもしれません。
少子高齢化が叫ばれる現代、今後も高齢化が進めば年金の受給額はますます減額されると想像できます。
老後の生活を想像し、今後のマネープランを考える時間をつくってみてはいかがでしょうか。
参考資料
田中 友梨
執筆者
筑紫女学園短期大学卒業後に株式会社三井住友銀行に入行。リテール営業に従事し、卓越した成績を残す。24歳で2年間銀行を休職し青年海外協力隊員としてフィリピンでボランティアをするなど異色の経歴を持つ。受賞歴多数。現在は金融IT企業で個人向け資産運用のコンサルティング業務を行う。老後資金の準備や相続の相談などを得意とし自身の投資歴20年以上。一種外務員資格(証券外務員一種)を保有。
監修者
株式会社モニクルリサーチ メディア編集本部 編集長室
LIMO編集部記者/元新聞記者
担当分野
金融と社会保障分野の専門知識を生かし、主に公的年金(厚生年金保険と国民年金)、公的年金制度の仕組み、社会保障、貯蓄、マイナンバー制度など幅広くカバーしている。
信頼性の高い情報源をもとに、政策の変遷や最新の貯蓄トレンドを掘り下げた記事も手掛けているが、難解な情報を分かりやすく伝えることを意識している。
また、退職金、資産運用や貯蓄、NISA、iDeCoなど、多岐にわたるテーマについて企画・編集・執筆している。
経歴
中央大学法学部を卒業後、東証プライム上場の大手IT企業でキャリアを開始。
その後、厚生労働省の記者クラブにて約3年間、医療保険制度や介護・高齢者福祉に特化した社会保障の専門紙で記者として働いた。
ここで社会保障分野に関する深い知識と実務経験を積み、複雑な制度の解説や政策を分析するスキルを磨いた。
現在は、株式会社モニクルリサーチが運営するくらしとお金の経済メディア「LIMO(リーモ)」のLIMO編集部にて、金融と社会保障分野に特化した記事を執筆している。
スタンス
信頼性の高い情報をもとに読者の皆さんに実用的で分かりやすい内容を届ることを大事にしている。
厚生労働省、金融庁、総務省、デジタル庁、財務省(国税庁)などの信頼性の高い官公庁の公開情報を基に、読者が日々の生活や将来の計画に役立てられるようなアドバイスを心掛けている。
単に情報を提供するだけでなく、実践的で信頼できるコンテンツを作り続けることを目指している。
最終更新日:2024年11月11日