国家公務員や地方公務員は、安定した待遇や福利厚生などで、特に不景気の時期は人気の就職先としてピックアップされますよね。

一方でよく見かけるのは「公務員は給料もらいすぎ」や「公務員の退職金は多すぎる」などです。

しかし、公務員のお金事情というのはそこまで批判の対象になるべきものなのでしょうか。

今回は、日頃から「日本をより良い国にするため」や「私たちの生活に密着してサポートしてくれている」公務員のお金事情について触れながら、私たち自身が抱えるお金の悩みに対してどう動いていけばいいのかについて考えていきたいと思います。

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1. 公務員の退職金は2000万円超

さっそく公務員の退職金から見ていきたいと思いますが、実は公務員は地方公務員と国家公務員に分かれています。

簡単に説明をしておくと、地方公務員は住民の生活に密着した業務を行います。勤務先としては県庁や市役所などをはじめとする自治体の組織に勤めている方たちがほとんどです。

一方、国家公務員は国の運営に係わる業務に就いている方たちのことで中央省庁や国会、裁判所などに勤務している方たちのことを指します。

では最初に地方公務員の退職金から見ていきましょう。総務省公表の「令和3年地方公務員給与の実態」による、地方公務員(一般職員、勤続25年以上の定年退職等)の平均退職金額は下記のとおりです。

  • 都道府県:2168万1000円
  • 指定都市:2101万2000円
  • 市:2106万4000円
  • 町村:1974万7000円
  • 全地方公共団体:2112万9000円

定年まで勤めた場合、ほとんどの地方公共団体で退職金は2000万円を超えていますね。

では次に、国家公務員の退職金について見ていきましょう。内閣官房公表の「退職手当の支給状況(令和2年度退職者)」による、国家公務員の平均退職金額は下記のとおりです。

  • 常勤職員(定年):2142万1000円

国家公務員も定年まで勤めると、退職金は2000万円を超えるようですね。

2. 会社員の退職金は平均いくらか

ここからは、民間企業に勤める会社員の退職金について見ていきましょう。

厚生労働省公表の「退職給付(一時金・年金)の支給実態(平成30年)」による、勤続20年以上かつ45際以上の退職者の1人平均退職給付額(定年)は下記のとおりです。

2.1 会社員の退職金「民間企業」1983万円

一見すると公務員とあまり変わらないような印象を受けますが、民間企業の場合は大企業と中小企業で退職金の金額が大きく異なります。

そこで、今回は大企業と中小企業の退職金を中央労働委員会と東京産業労働局のデータから詳しく見ていきたいと思います。

最初に、中央労働委員会の「令和元年退職金、年金及び定年制事情調査(2020年)」をもとに、大企業に定年まで勤めた場合の退職金から見ていきましょう。(※資本金5億円以上かつ労働者1000人以上の企業を対象とした調査)

学校を卒業後直ちに入社して標準的に昇進した者の内、大学卒・事務・技術労働者総合職担当、定年退職に該当する者の退職金は下記のとおりです。

2.2 大企業勤務の会社員の退職金:2511万1000円

続いて、東京産業労働局の「中小企業の賃金・退職金事情(令和2年版)」をもとに中小企業に定年まで勤めた場合の退職金を見ていきましょう。(※従業員が10人~299人の東京都内の中小企業を対象にした調査)

卒業後すぐ入社し、普通の能力と成績で勤務した場合の退職金水準から見る退職金額(退職事由が定年退職)は下記のとおりです。

2.3 中小企業勤務の会社員の退職金:1118万9000円

こちらは、あくまで参考値でありますが大企業と中小企業では退職金が1000万円以上違うことがわかります。

また、会社員のなかには退職金が多いと言われる公務員と変わらないもしくは、それ以上の退職金を受け取る方もいるようです。

ここで、中小企業に勤めている方の退職金についてお伝えしておくことがあります。それは中小企業の退職金制度は会社によって大きく異なる場合が多いということです。

どういうことかというと、企業によっては今回の調査のようにしっかりと退職金を受け取れるところもあれば、なかには退職金制度そのものがない企業もあります。

とくに、サービス業や飲食業などでは退職金制度が導入されていないということも多いので、中小企業にお勤めの方は退職金代わりになるものを今のうちから準備しておくといいかもしれませんね。

3. 退職金がない!老後は年金だけでも大丈夫?

さきほど、中小企業に勤めている方たちのなかには、そもそも退職金制度が企業に導入されておらず退職金を受け取れない場合もあるとお伝えしました。

退職金がないとなると、老後の生活は大丈夫?と不安になる方も多いと思いますので、ここからは年金の受給額を見ていきながら、退職金なしでも年金だけで老後の生活は足りるのか?ということを見ていきたいと思います。

厚生労働省「令和2年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」による、厚生年金の平均受給額と受給額ごとの分布は下記のとおりです。

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画像出所:厚生労働省「令和2年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」をもとにLIMO編集部作成

平均受給額:14万4366円

  • 1万円未満:10万511人
  • 1万円以上~5万円未満:33万983人
  • 5万円以上~10万円未満:332万5869人
  • 10万円以上~15万円未満:487万4049人
  • 15万円以上~20万円未満:487万5227人
  • 20万円以上~25万円未満:229万7864人
  • 25万円以上~30万円未満:27万8869人
  • 30万円以上~:1万6721人

(※上記の金額には基礎年金も含まれています)

全体の平均受給額は14万4366円ですが、10万円以上~15万円未満と15万円以上~20万円未満の年金を受給している方たちが多いようです。

総務省統計局の「家計調査年報(家計収支編)2020年」によると、老後に必要な1ヶ月あたりの生活費は独身で約14万円、夫婦ふたりでは約26万円となっています。

上記の年金受給額の平均でみれば、独身だとギリギリ生活できるライン。夫婦共働きで共に毎月約14万円の年金を受取ることができれば、なんとか生活できそうです。

しかし、老後の生活には介護や家のリフォーム費用などまとまったお金が必要になる場面もでてきます。

そのためには、やはり老後を年金だけに頼るのでなく自助努力で老後資金を準備する必要があると言えるでしょう。

4. まとめにかえて

今回は、公務員や民間企業の退職金事情などについて触れてみました。データによると、公務員全般や一部民間の大企業に勤めている方は2000万円以上の退職金を手にする可能性が高いということでした。

確かに、老後を目前にそれだけの大金を退職金として受け取れる方は少し羨ましいなという気もします。

しかし、そういう方たちの仕事ぶりを見てみると日頃から長時間の残業が発生したり、非常に高度で専門的な知識を要する仕事を任されているなど相当ハードに働かれていると感じることはとても多いです。

外から見える「これだけ退職金をもらっている」とか「暇そうに仕事している人」など一部のイメージだけで、その仕事すべてに関わっている人を羨んだり批判するのは少し違うのかなとも思いますよね。

実際、他人を羨んだり批判したところで自分の会社のお給料が増えたり退職金制度が導入される訳ではありません。

今の会社の給料などに不満があるならスキルアップして高収入が狙える会社に転職するなり、副業や自分で会社を立ち上げるという選択も自己の努力によって叶えることもできると思います。

または、少ない給料の中でお金を増やすためにはまず家計の無駄を見直して、そこで浮いたお金をどういう風に運用していくかで資産を大きく増やせる可能性というのも出てくると思います。

大事なことは、自分が身を置いている環境の中でどうやって動いていけば今かかえている悩みから抜け出せるかを考えて行動することではないでしょうか。

参考資料