4. おすすめしないインデックス投資信託3つ
「ベンチマークに連動する」のであれば、「同じベンチマークを使ったインデックス投資信託ならどれを選んでも同じ運用成果が得られる」ように思うかもしれません。
ここからは、おすすめできないインデックス投資信託の選び方をご紹介したいと思います。
4.1 信託報酬手数料が高いもの
ベンチマークを上回る運用成績を目指したり、下落局面でも資産が減らないように守ることを目指したり。それぞれ運用方針がことなるアクティブ運用の投資信託の場合、「手数料が高い=悪い投資信託」とは言い切れません。
しかし、同じベンチマークのインデックス投資信託同士で迷った場合は、信託報酬手数料が安いものを選ぶのが基本です。
「信託報酬手数料」は「その投資信託を運用している間ずっとかかる手数料」ですから、年月が経つほど手数料による差が開いてきます。
4.2 内容がよく理解できていないもの
最近では、SNS上で誰かが紹介しているインデックス投資信託の名前を目にする機会もあるでしょう。
投資信託は種類が多いため参考にするのは問題ありませんが、投資対象や信託報酬手数料などは必ず自分で確認しましょう。
よく分からないまま複数の投資信託を購入したケースでは「自分なりに分散投資をしたつもりが、ほとんど同じ投資対象になってしまっていた」という事もあります。
自分の運用方針やいまの資産状況に合っているかは、自分で確認しなければ分かりません。
投資の世界は自己責任ですから、何でも鵜呑みにしないよう気をつけましょう。
4.3 保守的すぎるもの
つみたてNISAで運用するメリットは、本来運用益にかかる20.315%の税金がかからないことです。
そのため、非課税期間中にできるだけ大きな利益を出したいと考えている人も少なくないでしょう。
投資信託を選ぶ時に「利益の大きさ(期待値)」を追い求めると、「リスクの大きさ(資産の増減幅)」を見落としがちになってしまうため、自分が許容できるリスクに目を向けるのも重要です。
とはいえ、あまりに保守的すぎるものを選んでしまうと「運用益が非課税」というメリットが薄れてしまいます。
5. まとめにかえて
生活のため、将来のため、何とかお金を増やしたいと考えている人は大勢いるでしょう。
2022年8月末、金融庁が公表した税制改正要望には、NISAの抜本的な拡充も盛り込まれました。
数ある投資方法のなかで「つみたてNISA」を検討している人は、つみたてNISA独自のルールを理解したうえで「自分の投資目的と合っているか」判断するようにしましょう。
また、つみたてNISAは口座開設から商品選び、売却の判断まですべて自分で行う必要があります。
自分で判断するのが苦手な方にとっては「そもそも制度が合っていない」という場合もありますから、自分にあった方法で資産を育てていきたいですね。
参考資料
- 金融庁「つみたてNISAについて(平成29年7月)」
- 金融庁「つみたてNISA」
- 金融庁「つみたてNISAの対象商品」
- 金融庁「NISA口座の利用状況調査(2020年12月末時点)」
- 総務省統計局「人口推計―2021年(令和3年)9月報」
- 金融庁「令和5(2023)年度税制改正要望について」
尾崎 絵実