厚生労働省は2022年8月24日、「令和4年度 離婚に関する統計の概況」を公表しました。

こちらによると、同居期間が20年以上という「熟年離婚」の割合が21.5%となっています。90年の13.9%と比べて約1.5倍となり、過去最高を記録しました。

結婚した夫婦の3組に1組は離婚する時代、老後の暮らしは「自分一人の収入」で計算しておくことも重要になるでしょう。

特に女性の場合、受給できる厚生年金は低い傾向にあります。もし年金の見込額が10万円程度だとわかった場合、将来に向けてどのような対策が必要になるのでしょうか。

年金の実態とともに見ていきましょう。

【注目記事】年金を増やしすぎた夫婦を待つ悲劇。手遅れになる前に知っておくべき繰下げ受給の仕組み

1. 女性が受給する厚生年金はいくらか

まずは厚生労働省「令和2年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」より、今の女性が受給している厚生年金の金額を確認しましょう。

1.1 厚生年金の平均月額

14万4366円

  • 男性:16万4742円
  • 女性:10万3808円

※国民年金の金額を含む

全体平均では14万4366円ですが、女性は男性よりも少なく、10万3808円となっています。受給額ごとの人数も確認しましょう。

1.2 【女性】厚生年金月額階級別の老齢年金受給者数のデータ

1/1

出所:厚生労働省「令和2年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」

  • 1万円未満:2万8004人
  • 1万円以上~2万円未満:6884人
  • 2万円以上~3万円未満:6万1267人
  • 3万円以上~4万円未満:10万9541人
  • 4万円以上~5万円未満:9万4941人
  • 5万円以上~6万円未満:10万3206人
  • 6万円以上~7万円未満:23万8112人
  • 7万円以上~8万円未満:44万9205人
  • 8万円以上~9万円未満:69万2135人
  • 9万円以上~10万円未満:85万2017人
  • 10万円以上~11万円未満:76万8808人
  • 11万円以上~12万円未満:57万9740人
  • 12万円以上~13万円未満:40万7435人
  • 13万円以上~14万円未満:28万8035人
  • 14万円以上~15万円未満:20万8976人
  • 15万円以上~16万円未満:15万2367人
  • 16万円以上~17万円未満:10万9888人
  • 17万円以上~18万円未満:7万5929人
  • 18万円以上~19万円未満:5万1905人
  • 19万円以上~20万円未満:3万7458人
  • 20万円以上~21万円未満:2万4850人
  • 21万円以上~22万円未満:1万6796人
  • 22万円以上~23万円未満:1万976人
  • 23万円以上~24万円未満:6934人
  • 24万円以上~25万円未満:3951人
  • 25万円以上~26万円未満:2188人
  • 26万円以上~27万円未満:1098人
  • 27万円以上~28万円未満:516人
  • 28万円以上~29万円未満:208人
  • 29万円以上~30万円未満:144人
  • 30万円以上~:375人

1万円刻みに見ることで、9万円以上~10万円未満がボリュームゾーンであることがわかります。

平均やボリュームゾーンを見る限り、女性の厚生年金は10万円程度となることが多いようです。

2. 厚生年金10万円程度で迎える老後

老後を迎えるにあたり、厚生年金の収入が10万円程度であることがわかると、少し厳しく感じてしまうかもしれません。

ただし、厚生年金の受給額には個人差があります。現在の水準が続くとも限らないため、正確な見込額は「ねんきんネット」などで確認するようにしましょう。

その上でやはり10万円程度だとわかった場合、老後に向けた対策が必要となります。

2.1 年金が少ない人の老後対策1. 貯蓄で備える

年金で足りない分は、貯蓄で補う必要があります。その際、銀行預金だけを利用するのはもったいないかもしれません。

例えばiDeCo(イデコ:個人型確定拠出年金)であれば、拠出したお金を運用することで増やすことが可能です。もちろん減るリスクがゼロというわけではないですが、リターンが期待できるのは銀行預金にない魅力です。

また運用益に対する税金が非課税である点や、受取時の税制優遇も見逃せないポイントです。こうした制度をうまく利用することで、老後までの期間に貯蓄を増やすことが大事です。

2.2 年金が少ない人の老後対策2. 長く働く

年金が少ない場合、働くことで収入を得ることも大切になります。今は60歳代や70歳代でも働く方は多く、定年後の道もひらけてきました。

できれば幅広いスキルを身につけて、働き続けるようにしましょう。

2.3 年金が少ない人の老後対策3. 健康を意識する

働き続けるためには、何より健康が大事です。高齢になるほど医療費もかかりやすくなるため、健康作りを意識しましょう。

今は職場で健康診断があるという方も、定年後の健診制度を知らない方は多いです。国民健康保険に加入する人であれば、自治体の特定健診等を受けることができます。

こうした情報もしっかり収集するようにしましょう。

2.4 年金が少ない人の老後対策4. 支出を減らす

徐々に生活費のダウンサイジングをすることも大切です。

ただし、過度な食費の節約はNGです。食事は体を作る根源なので、健康維持に欠かせないものです。よほど食費が家計を圧迫していない限り、まずは固定費から見直しましょう。

使っていないサブスク費用や会員費など、日付を区切って見直してみるのがおすすめです。この機会に、スマホや電気料金のプランなども見直したいですね。

3. 老後計画は早めに立てるほど有利

女性の厚生年金は10万円程度という方が多いです。

「夫婦の厚生年金は標準で約22万円」「厚生年金の平均は約14万円」などと言われますが、深掘りすることで実態がわかりました。

未婚率や熟年離婚率が上昇する今、将来のお金は個人の収入で考えることがスタンダードとなりつつあります。

まずはねんきんネットなどで目安額を把握し、足りない分の備え方をシミュレーションしてみましょう。

参考資料