住宅ローンの返済が定年後の負担にならないために
定年退職後は収入が減ることから、定年後に住宅ローンを残すのは大きなリスクであることがわかります。
ただし、晩婚化や晩産化の影響を受けて、30~40代でマイホームを購入する方も多いでしょう。こうした場合、ローンの完済は定年後になる可能性が高くなります。
このような場合に備え、考えておきたい2つの方法をご紹介します。
繰り上げ返済をする
住宅ローンを繰上げ返済することで、定年後の負担を計画的に減らすことを検討しましょう。
繰上げ返済には「期間短縮型」と「返済額軽減型」があり、それぞれ「月々の返済額を変えずに返済期間を短縮する」「返済期間は変えずに月々の返済額を軽減する」という特徴があります。
利息軽減の観点からいえば、前者の「期間短縮型」の方が有利であると言われます。
ただし、例えば団体信用生命保険に加入している場合などは、長期のローンで備える方がいい場合もあります。年齢を重ねてから新たに生命保険に加入するのは難しいからです。
また住宅ローン減税を受けている期間も、繰り上げ返済には向かないかもしれません。それぞれの家庭の事情にあわせ、慎重に判断しましょう。
不動産担保ローンやリバースモーゲージを検討
不動産を担保にしたローンを検討するのも一つです。
不動産担保ローンでは、無担保ローンに比べて金利が低く、長期間の借入が可能というメリットがあります。
リバースモーゲージとは高齢者向けのローンで、自宅を担保に老後資金を借りることができます。
借り手の死後、住宅を売却して元金を返済する仕組みになっているため、借り手は資金を調達しながら家に住み続けられるメリットがあります。
一方で、返済ができなくなった場合に自宅を失うリスクがあることや、事務手数料や不動産鑑定料に数十万円かかるという注意点もあります。金利の上昇により返済額が増加するリスクも。
リバースモーゲージでは、物件の価値が下がることで自宅を売却しても返済しきれないケースもあり、相続人の負担も懸念されます。
そのため、利用には慎重になるべきだといえます。