つみたてNISAでインデックス投信選びは実はプロでも難しい

-「つみたてNISAはインデックスファンドを買っておけばいい」という声が多いと思いますが、本当でしょうか。

Rさん:実はインデックス選びこそが超難しいです。年金運用においてでもそうなんですが、どのインデックスをベンチマーク(基準)とするかで資産運用のパフォーマンスが決まってしまうところもあるので、プロでも難しいです(笑)。それを個人に考えさせるというのはなかなかの宿題です。

-でも、米国株式のインデックスファンドを買っておけばいいという論調も強いですよね。

Rさん:はい、そうした論調があるのは知っていますが、それはあくまで過去のパフォーマンスがよかったからみんな信じているわけで、未来も必ずしもそうといえるでしょうか。

私に言わせると、車の運転でいえば、バックミラーを見て運転をしているようなものです。

インデックスファンドなんてどれも一緒なのでしょう

-インデックスファンドなんて、どれも一緒という話ではないのではないでしょうか。

Rさん:インデックスファンドは信託報酬も安いので、「コモディティ」とお考えの方も多いかと思いますが、実はすごく手間も暇も必要とされる金融商品です。ベンチマークからずれないようにクオンツを活用して慎重にメンテナンスされています。

ベンチマークから外れたパフォーマンス出てしまうと「質が悪い」インデックスファンドという烙印を押されるので、超慎重に運用されているのが実態ですよ。

したがって、インデックスファンドも質の「よしあし」があると考えるのがよいです。質の良くないインデックスファンドでも信託報酬を下げることで、そうした品質の議論なく純資産規模が拡大してきたともいえるのが、インデックス投信業界もイケてないなとは思います。