5. 食費から考える「老後の生活費」

生命保険文化センターの意識調査によると、夫婦2人が老後をひと月暮らすには、最低日常生活費として22万1000円、ゆとりある老後を送るための生活費として36万1000円が必要とされています。

家計調査で「65歳以上世帯」の消費支出額をみると約24万円です。ここでいう「最低日常生活費」を少し超える程度ですね。

ちなみに、標準的な夫婦世帯の年金額は厚生年金の場合約22万円(※1)です。また夫婦ともに国民年金(満額)を受け取れる場合は、夫婦合算で約13万円です(※2)

  • ※1 令和3年度は22万496円。ただし、平均的な収入(平均標準報酬(賞与含む月額換算)43.9万円)で40年間就業した場合に受け取り始める年金(老齢厚生年金と2人分の老齢基礎年金(満額))の給付水準です。
  • ※2 令和3年度の国民年金(満額)は、月額6万5075円です。

日本年金機構「令和3年4月分からの年金額等について」

6. お金と上手に付き合おう!

一度慣れた生活水準を下げることはそう簡単ではないでしょう。年金生活に入ると現役時代よりも少ない金額でやりくりしていく必要がある点は、若いうちから頭に入れておきたいところです。

節約を心がけることは、日ごろの家計管理のキホンですが、引き締めすぎもストレスの源。お金をかけるポイントと、節約するポイントは世帯によって異なります。そのメリハリを上手につけて、お金と上手に付き合っていきたいですね。

節約で浮いたお金を預貯金や資産運用に回していきながら、人生100年時代を見据えた「お金の準備」を意識していきましょう!

参考資料

【ご参考】貯蓄とは

総務省の「家計調査報告」[貯蓄・負債編]「用語の解説」によると、
「ゆうちょ銀行,郵便貯金簡易生命保険管理・郵便局ネットワーク支援機構,銀行及びその他の金融機関(普通銀行等)への預貯金,生命保険及び積立型損害保険の掛金(加入してからの掛金の払込総額)並びに株式,債券,投資信託,金銭信託等の有価証券(株式及び投資信託については調査時点の時価,債券及び貸付信託・金銭信託については額面)といった金融機関への貯蓄と,社内預金,勤め先の共済組合などの金融機関外への貯蓄の合計をいう。なお,貯蓄は世帯全体の貯蓄であり,また,個人営業世帯などの貯蓄には家計用のほか事業用も含める」とあります。