入院日数の平均はどれくらい?

厚生労働省の「令和2年 患者調査の概況」によると、入院日数の平均は32.3日(病院33.3 日、一般診療所19日)となっています。

さらに詳しく、令和2年9月1日~30日に病院を退院した患者を対象とした入院期間別の構成割合を見てみましょう。

入院期間別の患者数の構成割合

入院期間別の患者数の構成割合

出所:厚生労働省「令和2年 患者調査の概況(3 退院患者の平均在院日数等)」

入院日数の平均は33.3 日ですが、内訳をみると、2週間以内に退院している患者が66.8%いることがわかります。平均にすると1カ月ちょっとであっても、多くは2週間以内に退院していることがこの調査から知ることができます。

一方で、1カ月以上入院するケースも約17%あります。入院日数は病気の種類やケガの程度によるので、長期入院になりやすい傷病を次に見ていきたいと思います。

長期入院になる可能性が高い傷病とは

厚生労働省の「令和2年 患者調査の概況」から、令和2年9月1日~30日に退院した患者を対象とした傷病別の平均入院日数を紹介します。

<傷病分類別の平均入院日数>

出所:厚生労働省「令和2年 患者調査の概況(3 退院患者の平均在院日数等)」をもとに筆者作成

認知症や統合失調症、うつ病などが分類される「精神及び行動の障害」が294.2日という長期入院となっていることがわかります。

他にも神経系の疾患であるアルツハイマー病が273日、結核が59.5日、脳血管疾患が77.4日、慢性腎臓病が53.4日と期間が長くなっています。

一方で、長期入院になると思われる悪性新生物、いわゆるガンは19.6日と意外と短いことがわかります。退院後は通院による治療や経過観察になると考えられます。

このように、全体をみた入院日数の平均は30日程度であっても、疾患によっては長期入院となるものがあり、特に精神及び行動の障害や神経系の疾患は入院が長期化することがこの調査から見て取れます。

8割以上が1ヵ月以内に退院するので、支払限度日数は60日で充分と考えるか、長期化したことを考えて支払限度日数が多いものを選ぶかは、各々の事情によりますが、疾患の種類によって入院日数におおよその傾向があることは知っておくとよいでしょう。