3. 公務員だから老後は安泰?

公務員の退職金を見ていきました。ただし、今後は公務員であっても退職金で老後が安泰とは言い切れません。

老後2000万円問題とは、高齢の無職夫婦が老後30年を過ごすのに年金以外で不足する金額の目安とされていますが、この2000万円という試算には落とし穴があります。

実は、こちらの数字には介護費用が含まれていないのです。

公益財団法人生命保険文化センターによれば、介護費用(公的介護保険サービスの自己負担費用を含む)の平均金額と期間は以下の通りです。

出典: 公益財団法人 生命保険文化センター「リスクに備えるための生活設定」

  • 一時的な費用の合計:平均74万円
  • 月々の費用:平均8万3000円
  • 介護期間:平均約5年間

平均にして、一人当たり合計約580万円がかかります。夫婦なら倍の1000万円以上が目安です。

昔は「長男の嫁が自宅で介護をする」というのが当たり前だった時代もあります。しかし今は働く女性が増え、介護も外注することが多いです。

介護サービスの利用には必ず自己負担がかかるため、こうした費用はしっかり見込んでいないとなりません。老人ホーム等への入居を希望するのであれば、さらに費用が必要でしょう。

大事なのは「2000万円」という数字なのではなく、どんな老後を過ごしたいか?という理想のもとにシミュレーションされた「我が家の目安額」なのです。