SUBARUが2017年3月期決算発表を行った。また、2018年3月期の会社による業績見通しは110円/ドル前提となり、期待外れ感は否めない。このガイダンスは株価に対して「ネガティブ」な印象をあたえるであろう。

決算ハイライト

2017年3月期実績は、売上高が対前期比+3%増、営業利益が同▲27%減、親会社株主に帰属する当期純利益が同▲35%減となった。

従来の会社予想に沿った着地であり、実績にはサプライズはない。販売台数は伸長したものの、円高の影響をカバーするには至らなかったことに加え、リコール費用の増加なども重荷となった模様。

2018年3月期の会社予想は、110円/ドルを前提に、売上高が対前期比+3%増(上期は+7%増)、営業利益が同▲0%減(同+1%増)、親会社株主に帰属する当期純利益が同+1%増(同▲12%減)。

連休中に日本経済新聞に掲載されていた業績観測記事とほぼ同様の数値であるが、為替前提が110円/ドルは想定外である(観測記事には為替前提がなかった)。少しとは言え円安メリットが発生する110円/ドルで営業利益横這いの見通しは、期待外れと考えられる。

SUBARUの今後はここに注目!

110円/ドル前提で営業利益横這いの会社予想は、販売台数の増加を見込んでいることを勘案すれば、基本的には、保守的と見られる。ただ、同社の主戦場である米国市場で新車販売の頭打ち傾向が鮮明となっており、注意が必要だ。

会社予想が保守的と認識されるには、相応の時間が必要となろう。それだけに、米国を中心とした北米市場の動向に注目する。また、販売競争激化に伴うインセンティブ(販売奨励金)の増加にも投信1編集部は注視している。

LIMO編集部