「小学生は楽をするな」反発する大人

キャリータイプのランドセルである「さんぽセル」の発売時には、「楽をするな」という大人の意見が溢れていました。「さんぽセル事件」と呼ばれる現象ですが、記憶に新しい方も多いでしょう。

子どもたちが主体的に製品づくりを行ったことに対して、あまりにも心無い言葉に思えます。

実際、子どもたちのランドセルは年々重さを増しています。教科書はカラー刷りが増え、一冊一冊の重さは増えました。さらに近年、GIGAスクール構想を受け、児童一人ひとりにタブレットが支給されています。

筆者の子どもにも配られましたが、実際にはノートパソコンでかなりの重量があります。

タブレット学習ができるとはいえ、その分教科書が不要というわけではありません。教科書に加えてタブレットや電源アダプタを持ち歩くのは、小さな小学生にとってかなりの重労働です。

また熱中症の対策が進む中、水筒を2~3個持たせる学校もあります。夏だけスポーツドリンクを余分に持たせるところも多く、こうした荷物も小学生を疲弊させます。

「イマドキの小学生は体力がない」と批判するのは簡単ですが、時代の移り変わりとともに変化に適応する小学生は、優秀と言えるのではないでしょうか。

自分の健康を自分で守る。しかも制度の変更を伴いながら実践するのは、大人でも難しいことです。

今回の子どもたちの動きは、私達も十分学びのあることだと言えます。