マネックスグループの提案を受け、既に4割分の野村総研株は売却。旧村上ファンドは柳の下の二匹目のどじょうを狙う?
ジャフコは野村グループからの独立の後、大株主となったマネックスグループの運営するアクティビストファンドの働きかけにより、保有する野村総研株の4割を2021年1月に売却し、売却益(447億円)により350億円を上限とする自社株買いを決定しています。
よって、現在の旧村上ファンドのジャフコに対する要求は、マネックス証券グループに続く柳の下の二匹目のどじょうを狙っている側面が否定できません。
なお、野村総研の株価は2021年1月と2022年8月でほぼ同じ水準です。
ジャフコの株価は大きく上昇中。どのような決着となるのか?
ジャフコの株価は7月から上昇を始めており、8月に入り上昇スピードを上げています。また旧村上ファンドの敵対的買収報道により、株価は窓を開けて上昇しました。
ジャフコは、マネックスグループとは対話を重ねた結果として自社株買いを行いました。しかし旧村上ファンドに対しては、事実上の買収防衛策を発動するなど完全に対決姿勢を取っています。
「投資ファンド(旧村上ファンド)によるVCという投資ファンド運営会社(ジャフコ)の買収」という珍しい構図ともなっている今回の対立は、最終的にどのような決着となるのでしょうか。
今後の行方が注目されます。
参考資料
石井 僚一