博士課程修了者が持つ「基礎スキル」を活かしにくい環境に
博士課程修了者の多くが一般企業でも役立つ基礎スキルを大学院で培っていると見受けられます。
たとえば、大学院在学中に研究室の運営を通してマネジメントスキルを身に付ける方は多いです。
また、学会発表を通してプレゼン慣れしている方や、研究の一貫として事務作業に慣れている方もたくさんいます。
しかし、現状としては、博士課程修了者が安定的なキャリアを築くことは容易でないといえるでしょう。
その原因として、博士課程修了者が研究職以外の職を希望していないことや、多くの企業が博士課程修了者の入社を想定していないことが挙げられます。
博士課程修了者は少ないゆえに、博士課程修了者に対する世間における先入観や誤ったイメージもまた、キャリアの選択肢を狭めている原因といえるかもしれません。
※本記事では、博士後期課程単位取得後満期退学者と博士号取得者をあわせて「博士課程修了者」と表記しています。
参考資料
- 文部科学省「第1章 我が国の研究力の現状と課題」
- 文部科学省「令和3年度学校基本調査(確定値)の公表について」
- 文部科学省「平成30年度学校基本調査(確定値)の公表について」
- 文部科学省「大学院の現状を示す 基本的なデータ」
西田 梨紗